「カバラと『生命の木』」の第33回。「生命の木」の第10セフィラ、マルクトについての続き。
まず第9セフィラであるイエソドとマルクトの関係について動画で。
イエソドは形を与える原理であり、そこで形成されるものは全て(それが相容れないものを含まない限り)マルクトで具現化(=物質化)されることになる。それでも物質粒子は極めて反抗的で鈍重なので、秘伝家が「火の元素」と名づける、物質の最も希薄な部分に働きかけることによって、初めてイエソドの諸力が効果を現すことが可能になる。
ここで「32」でも触れた四大元素について、更に詳しく述べておこう。「火の元素」は事物そのものというより、むしろそれらの間のさまざまな関係状態を意味する。「風の元素」はそれらの関係を生み出す可能性であり、ゆえに物理的生命の根本原理である。なぜなら有機体が形成されるのは、その物質にそれを構成する可能性があるからだ。そして「水の物質」は原形質であり、「地の物質」は無機物である。
さて、顕現宇宙において有機的な力とその反応には一定の型があり、加えて四大元素の間にも影響力とその現れ方には一定の相互関係が成立している。にもかかわらず、それらの力と相互関係を用いることで、魔術的とも呼べる結果をもたらすことができる。その魔術的な方法は生命の方法とも重なり合う。
もし魔術が自己暗示以上のものであるなら、その魔術は生命の方法に沿ったものである。つまり魔術は原形質の仲介によって働くものになる。それは、原形質がその精妙な網状組織の中に「風の元素」によって伝えられる「火の元素」の磁気的な力を有しているから。即ち、マルクトの天球にもたらされるあらゆる力に顕現の基盤を与えるのは、原形質の磁気なのだ。これがカバラ的に解釈された生命発生、そして生体形成の原理である。
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