深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

"Theory U"の衝撃 番外編

2010-11-30 01:13:12 | 心身宇宙論
"Theory U"=「U理論」を、神田昌典さんが自身のオーディオ・セミナーのまるまる1回分を費やして取り上げたのが、2009年の3月頃のこと。このブログでも以前、第1部第2部と2度に渡って、その理論のアウトラインを紹介した。それから1年半以上を経て、Otto Schamerの『Theory U - Leading form the Future as it Emerges -』の日本語版『U理論―過去や偏見にとらわれず、本当に必要な「変化」を生み出す技術─』がついに英治出版から刊行された。

私が『U理論』刊行を知ったのは11月上旬で、その頃はまだamazonも「予約受付中」の状態。既にScharmerの『Theory U』を持っているので日本語版を買う予定はなかったが、どんな訳になったか知りたくて刊行を心待ちにしていた。ところが、その後も刊行はされたものの残念ながら地元の本屋には並ばず、本の中身を見たのはamazonの「なか見!検索」でだった。

そこで見たものは──わかりやすさを狙って変に言葉を足したりしていない、キビキビして簡潔な訳文。いや~うれしかったなー。それに訳者序文を除いて、文体も「だ・である」調なのもいい。最近は「優しさの時代」とやらのせいなのか、専門書なのに「です・ます」調で書いてあるような本が多くて、ちょっとウンザリしていたところだった。やはり専門書はこうでなくちゃイカン(ウンウン)。

もう一つ、『U理論』の訳文の特徴はルビの多用だ。とにかくもう、ルビ振りまくり(笑)。ルビを使うことについては賛否あるとは思うけど、上手く使えば一つの言葉に何重もの意味を持たせることのできる強力なツールなので、ここぞというところでは使うのをためらうべきではない、というのが私の考え。ただ『U理論』に関しては、過剰なまでにルビが使われすぎていると感じられなくもない(実はそれって、訳している人の迷いの表れでもあるんだよね)。

それでも、それだからこそ、神田さんの「通常は翻訳すると分量が倍くらいに膨れあがるので、原書で500ページを超える『Theory U』の日本語版は1000ページもの大著になるだろう」という予想を見事に裏切って、600ページそこそこで収まったとも言える(もっとも、私が翻訳した370ページの『クラニオセイクラル・バイオダイナミクスVOL.1』は、原書が450ページのものだったけど)。

11/28(日)、CBSのセミナーを受けに横浜に行った帰りに、有隣堂に立ち寄った。さすがに横浜の有隣堂なら現物が見られるだろう、と。そして、色合いが地味なのでうっかり見落としそうになったが、しっかり『U理論』の現物を見ることができた。そのうち新聞の書評でも取り上げられ、そうしたら地元の本屋にも並ぶだろう。日本語版3675円。原書なら円高の恩恵もあって2500~3000円くらい。いずれにせよ、この本は「買い」だ。

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