深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

存在しないはずの臓器を治療する

2009-05-12 16:19:19 | 症例から考える

ウチの治療ではキネシオロジーの筋反射テストを使った検査を頻繁に用いるが、そこでは「これは一体何を意味しているんだろう?」と非常に頭を抱えてしまうような結果が現れることが多々ある。例のテクスチャー・セラピーと私が勝手に呼んでいる方法(と言ってわからない方は、このブログの前の方の記事を見て下さい)などもその類で、「なぜこの仏像の写真/護符/…が、この人のこれに効くんだろう?」ということは全くわからないまま、「でも、まぁいいか。細かいことは気にしない」という感じでやっているものだ(こんなに頭使わないで治療してる人って、いないんじゃないだろうか

これは、この間診た患者のケース。この方は定期的に来てもらっているが、その日は問診の時に聞いた症状以外に、治療中に右肩に重い感じの痛みもあることがわかった。で、例によってキネシオロジー的にその人の体の状態を調べていった。

検査では症状そのものにとらわれず、全身がどのような状態にあるかを診ることを主眼にしている。症状は身体状態の中のさまざまな問題の結果として出ているものだから、最初からそこにフォーカスしてしまうことは(全くとは言わないまでも)あまり意味がないと思っているからである。

この時はふと、内分泌系を診てみようかと思い立ち(どうしてそう思ったのかはよく覚えていない。単なる思いつき?)、波動ディスクを使って調べてみると、「下垂体」と「卵巣」のディスクの組み合わせで体が弱さを持っていることがわかった(「下垂体」、「卵巣」単体では反応なし。なお、ここでは波動ディスクを使ったが、『解剖学カラーアトラス』(医学書院)のような本で下垂体と卵巣の写真を使っても同じことができるはず。ちょっと面倒だけど)

視床下部、下垂体はホルモン分泌の上位中枢であり、生理学の教科書的には下垂体は卵巣に対してはFSH(卵胞刺激ホルモン)、LH(黄体形成ホルモン)を分泌する。そして卵巣はFSHを受けると卵胞ホルモン(エストロゲン)、LHを受けると黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌する。だから「下垂体」+「卵巣」で弱さがあるとすると、この部分の処理に何らかの問題が生じている可能性があることを示唆している。だから、それを治療すればいい──のだが、このケースではここで一瞬、手が止まってしまった。なぜなら、治療している患者は男だったから。

キネシオロジーでは、患者、術者のいずれかの体にエネルギー的、電気的な異常があると、検査結果が正しく出なくなることがある。それを「スイッチング(神経学的混乱)がある」と言う。この時もまずスイッチングの可能性を考え、調べたが、それはなし。そこで改めて検査し直してもみたが、やはり結果は変わらず。で結局、「反応があるんだから取りゃいいか」と(この辺が何も考えてないところだ)治療したら、(それを狙ってたワケではないが)右肩の重痛が取れた。

こうしたことはこれが初めてではなく、これまでも時々あった。上のケースでは「卵巣」の波動ディスク(あるいは解剖写真)単体では反応がなかったが、男なのに「卵巣」や「子宮」単体で弱さの反応があったりするケースは(自分自身の体も含めて)過去にいくつか遭遇している(ただ、患者全員に対してこうしたことを調べているワケではないので、女なのに「精巣」や「前立腺」で弱さの反応が現れる人がいるのかどうかは、把握していない)。治療そのものは上に述べたとおり、その反応が出なくなるようにすればいいので難しいことではない。難しいことではないのだが、存在しないはずの臓器を治療するなんて、まるで唐十郎(から じゅうろう)の書く芝居のような話だ。一体それは何であり、何を意味しているのだろうか?

ユング心理学では男性の中の女性性、女性の中の男性性というものを考える(いわゆるアニマ・アニムス論)が、もちろんこれは意識の中の話であって、物理的な実体としての臓器の話ではない。だが、「思考は現実化する」という考え方に従うなら、その人の持つ(主に潜在)意識レベルでの(アニマ・アニムスの?)方向性が身体に何らかの影響をもたらす(例えば、存在しないはずの臓器を、物理的実体レベルではなく波動レベルで一時的に作り出してしまうような)ことはない、と言い切れるだろうか?(ただそうなると、本当に唐十郎的妄想世界になってしまうが

あるいは、「我々の世界は唯一のものではなく、起こり得たかもしれない可能性の1つにすぎず、この世界とは別の可能性を選択した別の世界が無限に存在している」という多重宇宙論あるいは平行宇宙論(パラレル・ワールド理論)的な観点で考えると、この世界では男であるその患者が女であるような別の世界があって、その別の世界で患者に相当する人物の卵巣の問題が、この世界でのその人の右肩の症状を作り出した、という説も考えられる。この説は私の思いつきによるヨタ話なので、あまり真に受けないでほしい(が、世の中には「遙か遠い先祖の悪行が現在のこの問題の原因である」みたいなことを主張し、それを祓うことで問題を解決している人も実在するようなので、上の説もあながちSFチックなヨタ話とは言い切れないかもしれない)

あるいは、ハッキリとらえきれないレベルでスイッチングがあったか、一般に知られているスイッチングとは違う何らかの原因で、波動に対する反応の検出に何らかの混乱が生じただけかもしれない。ま、これが一番あり得るかな。

というわけで、原因はよくわからない。ただ臨床では時々(頻繁に?)不可解なことが起こる。それを不用意に追いかけ過ぎると、治療家自身が何か奇妙な世界に入り込んでしまわないとも限らない──って、そりゃ『世にも奇妙な物語』か。でも案外、それを望んでたりして…。


コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 虚構の果てへの旅 | トップ | \"Theory U\"の衝撃 第1部 »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (nanahoshi)
2009-05-13 01:18:57
予約変更、有難う御座いました。
1か月早まったので嬉しいです。

治療の時の方がコメントはし易いですが、
どの日記も楽しく読ませていただいています。

私は、心臓が右にある患者さんの脈診をしておきながら、頭で考えていた事と、自分の身体が違う事をしていて、気持ち悪さに考えていたら、「先生、私、心臓が逆なんです。それって、治療に関係あります?」と言われて、脈診部位が逆に成っている事を知りました。

情報は、視覚や触覚だけじゃ無いんですね。

いつも、勉強になります。
ありがとうございます。
返信する
凄いです! (sokyudo)
2009-05-13 11:29:35
>nanahoshi先生
>心臓が右にある患者さんの脈診をしておきながら、頭で考えていた事と、自分の身体が違う事をしていて、気持ち悪さに考えていたら

この「気持ち悪さ」を感じられる、というのがそもそも凄いです。多分、私を含めて大方の治療家は、そんなことを感じることすらないでしょうから。

私の方が勉強させてもらってます。貴重なコメント、ありがとうございます。
返信する
不思議ですね (tenleechan)
2009-05-17 09:41:30
仏像程ではないけど。
親しい女性の中に、同様の疾患か、その可能性のある方がいて、その影響を受けたか?
はたまた、想像妊娠みたいなものか?
稀に男でも子宮内膜症ありますしね
フォーカシング出来る患者さんだと、身体がなにか教えてくれるかな?


返信する
別のケースですが… (sokyudo)
2009-05-18 01:31:54
>tenleechan先生

本文とは別のケースで、これは私が直接診たのではなく、セミナーで聞いたものですが…
痛みがなかなか取れない患者がいて、波動チップでの反応を調べたら癌関係のチップで反応があったので、それを治療したら、痛みがきれいに取れたとか。
その人は癌だったのか、痛みは癌と関係があったのか、また仮に癌だったとして、ではその治療で癌が治ってしまったのか──それはわかりません。ただ事実として「癌関係の波動チップで反応があり、それを治療したら取れなかった痛みが取れてしまった」ということがあるだけで。
個人的には、今回の件もそれと似たものを感じています。さまざまな解釈は可能ですが、どれも仮説の域を出ません。

>フォーカシング出来る患者さんだと、身体がなにか教えてくれるかな?

実はフォーカシングもできる人だったんですが、まさかこんな結果が得られるとは思っていなかったので、そこのところでは使ってもらわないまま処理してしまったのです。
返信する

コメントを投稿

症例から考える」カテゴリの最新記事