最近YouTubeにハマっている。時間があると、ついYouTubeにアクセスして、気がつくと30分、1時間が経ってしまっていて、愕然とすることも多い。明らかに著作権を侵害している違法投稿も多く、また著作権者なども投稿されたものを監視しているようで、この間まであったものが消されてる、なんてこともしょっちゅうあって、その辺の攻防もまた面白かったりするンだが…
で、そこで見つけたのが、吉田拓郎らのつま恋コンサートの時の映像。NHKBSで放送されたものを投稿したものなので、これも恐らく著作権法違反だが、ウチのテレビはいまだに地上波だけなので、この映像はうれしかった(地上波では、その一部ダイジェストしか放送されなかったのだ)。その中の一押しが、この『永遠の嘘をついてくれ』だ。
この『永遠の嘘をついてくれ』という楽曲は、中島みゆきが吉田拓郎に送ったもの。不勉強なもので、その辺の事情はよく知らないが、恐らくガンで入院していた時、死の恐怖に怯え、「僕は世界一の弱虫です」などと言っていた拓郎に宛てて、みゆきが作ったのではないかと思う。単純に考えれば、シンガーソングライターの同志に宛てたエール、ということになるのだろうが、聴いてみれば、そんな生やさしい歌じゃないことがはっきりわかる。もちろん拓郎を励ます意味もあったのだと思うが、これは言わば、中島みゆきから吉田拓郎に宛てた「挑戦状」だったのではないか。
『永遠の嘘をついてくれ』は、一言で言えば「やせ我慢の美学」を歌った歌だ。その歌をみゆきは、弱音を吐く拓郎に突きつけたのだと思う──「今のアンタに、この歌が歌えるかい?」と。
YouTubeのこの映像は、つま恋コンサートの中で、この『永遠の嘘をついてくれ』1曲だけのスペシャル・ゲストとして中島みゆきが登場したシーンである。実際に映像を見てもらえればわかるが、ここでのみゆきの存在は、まさに圧巻である。50代半ばとは思えない絞り込まれた体で背筋をピンと伸ばし、観客に挑みかかるように歌う姿は、まさに『永遠の嘘をついてくれ』という曲を体現しているかのようだ。
それにしても、歌詞の何と鮮烈なことか。実は自分はここ数年、みゆきのアルバムを買っていないのだが、みゆきが作る歌の歌詞は、年を経て丸くなるどころか、益々鋭さが増しているようだ。
たとえ繰り返し 何故と尋ねても
振り払え 風のように鮮やかに
人は皆 望む答だけを 聞けるまで尋ね続けてしまうものだから
…なんて、聴いてるだけで心の中がゾワゾワしてくる。いつNHKに見つかって消されてしまうとも限らないから、見るならお早く。
さて、俺もまた永遠の嘘をつくための準備をしなきゃな…
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翌年、「ラブラブ愛してる」に出演されるようになりました。
この曲は、拓郎さんの起爆剤になったんではないでしょうか。