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キッチンに入る

2024-11-07 | 義母義父
義母急逝の報を受けて、私達夫婦は仕事を休んで急遽義父の元へと向かって数日を過ごした。

地元の火葬場がいっぱいで、葬儀までに通常より数日少し時間があった。葬儀までは自宅安置であったが、秋口であったのに多少救われた。

実親よりもよっぽど義母が亡くなった時の方が大変だった。

住んでいる地域や、その人がどれほどの交友関係を築いていたかが大きい気がする。

自分の心持ちとしては、数日するとだんだん義母がいないのにも慣れてきて、義父もやることが沢山あって義母のいない寂しさにまだ気をやる時間がないみたいだ。

でも朝起きて、義母の遺体の手をさすっている義父の姿を見て、やっぱり辛くて切なくて悲しくなった。

私と義母は短い時間しか関わっていなかったけど、義父母は結婚して50年ほど経過している。

モラトリアムから子を育て上げて老人になるまでずっと一緒の(そりゃ時々は喧嘩するが)仲睦まじいおしどり夫妻だった。

突然いなくなってしまったから、義父だけではどうしようもないので、葬儀までの間だけ掃除したり料理したりしたが、どこからか義母の「いいそうなこと」が脳裏に閃いてちょっと気が引ける。

たとえば、
義母はパンパンの冷蔵冷凍庫見られるの恥ずかしいからやだ~とか嫌がってたよね、とか
ゴミの量をとにかく少なくしたい人だったからまだ捨てるの早いよ〰️とか
それは皮むかないでも食べられるのに〰️もったいないとか
そんな声が天界から聞こえる気がする。

でも
あなたはもう現世には居ないし
おとうさん大変だからゴメンね、
やりやすいようにやらせてもらうねという気持ちでやっている。

おかあさんはいなくても、淡々と周りは進んでゆく。

人の死は本当にあっけない。



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