仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

山行36:北アルプス・鹿島槍ヶ岳 (1981年10月)

2011-10-15 15:21:54 | 想ひ出の山



エリア :北アルプス
時期 :1981年10月
ワンポイント :新雪の劒岳の雄姿。
コース :
・・・ 扇澤 種池小屋 爺ヶ岳(2670mH) 冷池小屋 (テント泊) ~ 鹿島槍ヶ岳(2889mH) ~ 冷池小屋(撤收) ~ 爺ヶ岳 ~種池小屋 ~ 扇澤
メンバー :方波見、 私


<10月10日>

早朝にカタバミの下宿を出發、鹿島槍ヶ岳へ向ふ。
松本から大絲線で信濃大町 、信濃大町からバスで扇澤まで。
扇澤は懷かしかつた。
黒部東澤を遡行した高校1年の夏山合宿 で、同樣に扇澤に來て、 トロリーバス 黒部ダム に出たのを思ひ出した。
天候は曇で、細かいガスがからだを包むやうな感じ。

「爺ヶ岳登山口」 から登り始めたのが8時半。
手帳に殘されたコースタイムの記録はこの登山開始の時間のみで、殘念ながらあとは不明。
登山道は爺ヶ岳南尾根の西側斜面を卷くやうについてゐて、展望もなくひたすら足元をみつめて登つて行く。
主稜線に登りつくと、そこは 種池小屋
一休みしてから、 爺ヶ岳(2670mH) への登り。
鹿島槍ヶ岳ほどではないものの、爺ヶ岳はちよつとした雙耳峰になつてゐることを知つた。
爺ヶ岳の頂上はガスで視界がきかず、早々に下る。
2631m峰を越えて2387mの鞍部まで下り、少し登りかへすと 冷池小屋に到着。
小屋に寄つてテントを幕營料を拂ひ、キャンプ指定地でテントを設營。
10月の北アルプスの稜線での幕營は、初めての經驗だつた。


<10月11日>

さすがに10月の北アルプスの稜線だけあつて、夜は冷え込んだ。
夜中にサラサラといふ音を聞いた。
テントに雪が降る音だ。

朝起きてテントから出たら、夜中に降つた雪が薄く積つてゐた。
前日はガスで視界がきかなかつたのだが、一夜明けると快晴。
黒部峽谷を隔てた彼方に、新雪の劒岳がその勇姿をみせてくれた。
私はかつて 劒岳のすぐ近くまで行きながら登れなかつたこと があり、それ以來、劒岳は私の憧れの山となつた。
その劒岳の雄々しい姿を目の當たりにして、私は感動した。
その反對側、つまり東側に目をやると、雲海のかなたから太陽が昇る御來光。
天氣が恢復してほんたうに良かつた。

テントはそのままにして、サブザックに必要なものだけつめて、鹿島槍ヶ岳に向ふ。
これと云つて困難なところもなく、鹿島槍南峰に到着。
頂上からのパノラマは素晴らしかつた。
北は五龍、唐松、白馬。
西は劒、立山。
西南は藥師、黒部五郎。
南は槍・穗高連峰。
南東は南アルプス、八ヶ岳、はるかに遠く富士山。
2889mHの山頂はこの南峰なので、北峰には登らずにそのまま引き返した。

冷池でテントを撤收し、前日登つて來た道を反對に辿る。
種池から扇澤へ下り始めてすぐに、犬が登つてくるのに出會つた。
さすがは人氣の鹿島槍、ワンコまで登るのかとビックリした。
愛犬を連れて山に登る人がゐるらしい。
犬を小屋に入れるわけにはいかないから、きつとテント泊なのだらう。

この日は松本のカタバミの下宿に泊めて貰つた。





冷池テントサイトからのご來光。



テントから眩しさうに顏を出すカタバミ。



鹿島槍のモルゲンロート。
北峰は少しガスつてゐる。



鹿島槍頂上にて。
背景は新雪の劒岳。



頂上からの展望。北。
五龍、唐松、白馬の山々。



頂上からの展望。南。
遠く、槍・穗高連峰が見えてゐる。



頂上からの展望。南々東。
左に八ヶ岳、右に南アルプス、その間にちいさく富士山が見える。



頂上からの展望。西北西。
劒岳北方稜線の山、毛勝三山。



頂上からの展望。西。
私の憧れの山、北アルプスの雄、劒岳。



頂上からの展望。南西。
藥師岳、黒部五郎岳方面。



鹿島槍を振り返る。



稜線から下り始めたら、ワンコが登つて來た。
標高2400mでいきなりワンコが現れると、かなりビックリする。





<使用カメラ> ニコマートFTN 50mmF1.4






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2 コメント

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Unknown (原始人)
2011-10-16 08:45:16
そうよね、標高2400mでワンコ(しかも、セットランド)に出会うとビックリしますよね。
最近は知りませんけど、僕は出会った記憶はないですね。

後立山にはご縁が薄かったです。
登ったのは初心者の頃に白馬雪渓の往復のみ。
(ルートを外して滑落を経験<最初は拾ってた杭で ピッケルストップ、二度目は裸地へ激突>)。

剱岳、僕の最後の山行きになりました、1986年頃やったかな?、古い話でご免なさい。
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原始人さん (仙丈)
2011-10-16 09:30:10
>二度目は裸地へ激突

これは怖いですね。
スリップした瞬間はともかく、とまらないと悟った時の気持ちを想像すると・・・

>剱岳、僕の最後の山行きになりました

有終の美を飾られたようで羨ましい限りです。
劒岳は私の憧れの山でして、一般ルートではなく、雪渓がしっかりしている時期に長次郎谷から登ろうなどと考えているうちに今に至ってしまいました。
もう一般ルートからでもしんどいかもしれません。

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