「ストロボ」 真保裕一
お薦め度:☆☆☆☆+α
2006年4月6日読了
一人のカメラマンを主人公とした5つのスナップショットでひとつの物語を構成してゐる。
最初におかれてゐるのが、主人公が50歳の時。
すでに寫眞家としての名聲を得てゐる主人公が、かつての情熱を失ひ、寫眞さへも日常生活を維持する手段となつてゐる。
この時點が物語の「現在」であり、この章での出來事をきつかけとして、主人公がかつての自分を振り返つてゆく。
つまり現在から過去への記憶の遡行で、そのために5章から始まり1章に戻る構成になつてゐる。
「因果」といふ言葉がある。
物事には「原因」と「結果」とが切り放し難く存在してゐる。
主人公の「今」が「結果」だとすると、これまでの人生のなかに、そこにいきつく「原因」がある。
いつ、何を、どのやうにして來たから「今」があるのか。
この作品では、それを、カメラマンとしての仕事を通じて、また夫婦の關係を通じて、浮き彫りにしてゆく。
50歳から振り返る自分の人生はどのやうに見えるのだらう。
主人公のみならず、これはすべての人にとつて興味深いことではないだらうか。
第5章「遺影」(50歳)
第4章「暗室」(42歳)
第3章「ストロボ」(37歳)
第2章「一瞬」(31歳)
第1章「卒業寫眞」(22歳)
2006年4月6日讀了
お薦め度:☆☆☆☆+α
2006年4月6日読了
一人のカメラマンを主人公とした5つのスナップショットでひとつの物語を構成してゐる。
最初におかれてゐるのが、主人公が50歳の時。
すでに寫眞家としての名聲を得てゐる主人公が、かつての情熱を失ひ、寫眞さへも日常生活を維持する手段となつてゐる。
この時點が物語の「現在」であり、この章での出來事をきつかけとして、主人公がかつての自分を振り返つてゆく。
つまり現在から過去への記憶の遡行で、そのために5章から始まり1章に戻る構成になつてゐる。
「因果」といふ言葉がある。
物事には「原因」と「結果」とが切り放し難く存在してゐる。
主人公の「今」が「結果」だとすると、これまでの人生のなかに、そこにいきつく「原因」がある。
いつ、何を、どのやうにして來たから「今」があるのか。
この作品では、それを、カメラマンとしての仕事を通じて、また夫婦の關係を通じて、浮き彫りにしてゆく。
50歳から振り返る自分の人生はどのやうに見えるのだらう。
主人公のみならず、これはすべての人にとつて興味深いことではないだらうか。
第5章「遺影」(50歳)
第4章「暗室」(42歳)
第3章「ストロボ」(37歳)
第2章「一瞬」(31歳)
第1章「卒業寫眞」(22歳)
2006年4月6日讀了
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