仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

木原敏江の世界 ~ 『摩利と新吾』

2006-01-27 23:59:45 | 日々雜感
この水曜日であつたか、夜11時過ぎから、木原敏江さんの番組があつた。
その時は時間がなくて見られなかつたので、嫁はんにお願ひして、録畫して置いて貰つた。

けふ、夕食後にそれを觀た。
DOZIさんの姿を初めて觀ることができた。
芯の強い、自分の世界をはつきりと持つてゐる人といふ印象。
木原敏江さんのマンガで「夢の碑」といふのがあるらしい。
どうやらずゐぶんと幻想的な作品らしい。

木原敏江さんといへば、私にとつては「摩利と新吾」だ。
舊制高校を舞臺にした、男同志の友情と愛・・・
ちやうど私が高校生の頃から大學生にかけて連載されてゐた作品だ。
いつたい何度讀み返したことだらう・・・

「縞りんご」とも「おみきどつくり」とも云はれた二人が大東亜戦争中に別々の場所で同時に死んでしまったあと。
アメリカ占領軍の介入により学校制度が舊制から新制になり、持堂院高校が解體される。
かつての仲間たちとその子供たち、そして摩利と新吾のそれぞれの子供たちが、持堂院高校に集ひ、寮歌を歌ふ。
過ぎ去りし青春への挽歌。
このシーンはいま思ひ出すだけでも目頭が熱くなつてしまふ。

「摩利と新吾」が立原道造的な世界だとすれば、「夢の碑」はその對極にある。
さう、木原敏江さんが話してゐた。
それを聽いて「夢の碑」も讀んでみたくなつた。


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
重版希望 (こずえ)
2006-01-28 15:36:09
ぜひとも読んで下さい。番組でいわれていたように「夢の碑」は、鬼と耽美性のみ共通ですが個々の作品はそれぞれ表\情が違うので、どの巻から読んでもいけます。是非ぜひネットや古書店巡りをおすすめいたします。とらば有難うございました。
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まづ (仙丈)
2006-01-28 16:10:26
こずえさん



コメントありがたうございました。

我が家の本棚を搜してみたら、角川書店の木原敏江全集で「摩利と新吾」が2卷から7卷までありました。

大學時代にリアルタイムで揃へたコミック版はたぶん實家にあるのだと思ひますが・・・

なにはともあれ1卷がない!

そこで、eBook-Offで1卷を搜して注文しました。

まづは「摩利と新吾」を最初から讀み返さうと思つてゐます。

もちろん、そのあと「夢の碑」も搜してみます。

樂しみだなあ!

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Unknown (uno)
2006-01-28 19:35:24
はじめまして。トラックバックありがとうございます。

かつての仲間たちが持堂院に集うシーン、私も大好きです。テレビの画面で見ているだけで、ちょっと込み上げるものがありました…。私も久しぶりに読んでみようと思います♪
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あ~おい春です、おのおのがたよ! (仙丈)
2006-01-28 20:19:41
unoさん



コメントありがたうございます。

あ~おい春です、おのおのがたよ!

寮歌がいまも思ひ出されます。

最初、「あ~おい」のところは、呼び掛けだと思つてゐました(笑)

「青い春」、つまり青春だつたのですね!

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いつかの夢 (みほ)
2006-02-05 07:36:47
世代はもう少し前ですが、

私も摩利と新吾の光る青春に涙したものです。

引越しの際に全巻をなくなく古本屋に持っていったのを今でも後悔しています。

もう一度よむためにまた購入しようと思います。
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5卷も (仙丈)
2006-02-05 08:11:50
みほさん



コメントありがたうございます。

角川書店の木原敏江全集「摩利と新吾」全7卷のうち1卷だけなかつたので、eBook-Offで1卷を搜して注文しました。

それが屆いたので、少しづつ讀みはじめてゐるところです。

ところが・・・・

よく見てみると5卷もないことに氣づきました(泣)

しかたないので、また5卷を注文したところです。

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