「のだめカンタービレ」 (第20卷) 二ノ宮知子
お薦め度:☆☆☆☆ /
2008年3月15日讀了
のだめと千秋がまともにキスをするシーンに照れてしまつた私は、とつても純情な中年オヤヂである。
などといふことはさてをき、今囘は、ターニャと黒木くんの關係といひ、清良と峰くんの關係といひ、なかなか戀愛コミックしてゐた。
峰くんが登場すると、やはりこのマンガは面白くなる。
ぜひ、彼の日本での活躍?も、登場させて欲しい。
さて、音樂だ。
私のこころの状態の所爲もあるかもしれないが、今囘は讀み了へてから無性に音樂を聽きたくなつた。
のだめがラヴェルのピアノ協奏曲に出會つた感動に感染してしまつたのだらうか?
オクレール先生に出されてゐる課題曲を、千秋がのだめに付きつきりで指導するシーン。
ショパンのピアノソナタ第3番と、ベートーヴェンのピアノソナタ第31番。
ベートーヴェンのピアノソナタ第31番を解説する千秋の上に乘つて、のだめが云ふ。
「ヒントは嬉しいですけど・・・どう感じるかはのだめのものデス」
このあとで、私が照れるシーンとなつた。
ベートーヴェンのピアノソナタ第31番は私の好きな曲。
この曲の終樂章の美しいこと。
この曲は誰でも彈けるといふ曲ではないと思ふ。
演奏のテクニックだけでは表現しきれないものがあるやうな氣がするし、かと云つてテクニックのない(指の廻らない)ピアニストでは聽くに耐へぬ。
重たくなりすぎてもイヤだし、彈き流すやうな演奏も受け容れがたい。
つまり、この曲はピアニストを選ぶのだと思ふ。
などと考へてゐると、なかなか私にとつてベストと云へる演奏が思ひ浮ばない。
仕方ないので、印象的な演奏をいくつか紹介しておくことにする。
まづは、もつとも自然躰で肩の力の拔けた演奏を。
ウィーンのピアニスト、フリードリヒ・グルダの演奏。
彼はこの曲が好きらしく、コンサートでも何度も彈いてゐるが、ここで紹介するのは彼の2度目の全集録音のもの。
1967年の録音なので、音質は良いとは云へないものの、深刻になりすぎないベートーヴェン演奏といふ感じで好感が持てる。
ただ、終樂章はもう少し思ひ入れを感じさせる演奏をして欲しい。
終樂章のアリアとフーガの美しさとその深さをもつとも表現してゐると思ふのが、リヒテルの晩年の演奏。
1樂章で音の粒が揃はないところがあつたり、2樂章のリズムに獨特なものがあつたりするので、曲を通して評價するとベストとは云へないかもしれないが、この終樂章は味はひ深い絶品だと思ふ。
彼の紡ぎ出す音そのものの、つややかな輕みといつたものも、さういつた印象に寄與してゐるかもしれない。
ほかにもたくさんの素晴らしい演奏がある。
ドイツの正統派の巨匠、バックハウスの演奏は一度は聽いておくべきだと思ふし、いまや巨匠となつたポリーニが最初に録音したベートーヴェンのラスト3ソナタも擧げないわけにはいかない。
私が初めてこの曲を聽いたケンプの演奏も捨てがたい。
しかし、もうひとつだけ紹介するとすれば、仲道郁代さんの演奏だ。
何故か?
いやあ、私、彼女のファンなんですよ!
コンサートでこのCDを買つて、サインをして貰つたほど。
で、家に歸つたら、もう1枚同じCDを持つてゐたといふオマケつき。
まだ開封もしてゐないサインなしのCD、ヤフオクにでも出品しようかな?
<既刊のレビューはこちらをどうぞ>
第1卷
第2卷
第3卷
第4卷
第5卷
第6卷
第7卷
第8卷
第9卷
第10卷
第11卷
第12卷
第13卷
第14卷
第15卷
第16卷
第17卷
第18卷
第19卷
お薦め度:☆☆☆☆ /
2008年3月15日讀了
![]() | のだめカンタービレ #20 (講談社コミックスキス)二ノ宮 知子講談社このアイテムの詳細を見る |
のだめと千秋がまともにキスをするシーンに照れてしまつた私は、とつても純情な中年オヤヂである。
などといふことはさてをき、今囘は、ターニャと黒木くんの關係といひ、清良と峰くんの關係といひ、なかなか戀愛コミックしてゐた。
峰くんが登場すると、やはりこのマンガは面白くなる。
ぜひ、彼の日本での活躍?も、登場させて欲しい。
さて、音樂だ。
私のこころの状態の所爲もあるかもしれないが、今囘は讀み了へてから無性に音樂を聽きたくなつた。
のだめがラヴェルのピアノ協奏曲に出會つた感動に感染してしまつたのだらうか?
オクレール先生に出されてゐる課題曲を、千秋がのだめに付きつきりで指導するシーン。
ショパンのピアノソナタ第3番と、ベートーヴェンのピアノソナタ第31番。
ベートーヴェンのピアノソナタ第31番を解説する千秋の上に乘つて、のだめが云ふ。
「ヒントは嬉しいですけど・・・どう感じるかはのだめのものデス」
このあとで、私が照れるシーンとなつた。
ベートーヴェンのピアノソナタ第31番は私の好きな曲。
この曲の終樂章の美しいこと。
この曲は誰でも彈けるといふ曲ではないと思ふ。
演奏のテクニックだけでは表現しきれないものがあるやうな氣がするし、かと云つてテクニックのない(指の廻らない)ピアニストでは聽くに耐へぬ。
重たくなりすぎてもイヤだし、彈き流すやうな演奏も受け容れがたい。
つまり、この曲はピアニストを選ぶのだと思ふ。
などと考へてゐると、なかなか私にとつてベストと云へる演奏が思ひ浮ばない。
仕方ないので、印象的な演奏をいくつか紹介しておくことにする。
まづは、もつとも自然躰で肩の力の拔けた演奏を。
ウィーンのピアニスト、フリードリヒ・グルダの演奏。
彼はこの曲が好きらしく、コンサートでも何度も彈いてゐるが、ここで紹介するのは彼の2度目の全集録音のもの。
1967年の録音なので、音質は良いとは云へないものの、深刻になりすぎないベートーヴェン演奏といふ感じで好感が持てる。
ただ、終樂章はもう少し思ひ入れを感じさせる演奏をして欲しい。
![]() | ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集(9枚組)Brilliant Classicsこのアイテムの詳細を見る |
終樂章のアリアとフーガの美しさとその深さをもつとも表現してゐると思ふのが、リヒテルの晩年の演奏。
1樂章で音の粒が揃はないところがあつたり、2樂章のリズムに獨特なものがあつたりするので、曲を通して評價するとベストとは云へないかもしれないが、この終樂章は味はひ深い絶品だと思ふ。
彼の紡ぎ出す音そのものの、つややかな輕みといつたものも、さういつた印象に寄與してゐるかもしれない。
![]() | ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第30・31・32番リヒテル(スビャトスラフ)マーキュリー・ミュージックエンタテインメントこのアイテムの詳細を見る |
ほかにもたくさんの素晴らしい演奏がある。
ドイツの正統派の巨匠、バックハウスの演奏は一度は聽いておくべきだと思ふし、いまや巨匠となつたポリーニが最初に録音したベートーヴェンのラスト3ソナタも擧げないわけにはいかない。
私が初めてこの曲を聽いたケンプの演奏も捨てがたい。
しかし、もうひとつだけ紹介するとすれば、仲道郁代さんの演奏だ。
何故か?
いやあ、私、彼女のファンなんですよ!
コンサートでこのCDを買つて、サインをして貰つたほど。
で、家に歸つたら、もう1枚同じCDを持つてゐたといふオマケつき。
まだ開封もしてゐないサインなしのCD、ヤフオクにでも出品しようかな?
![]() | 最後の三大ソナタ~ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番,第31番&第32番仲道郁代BMG JAPANこのアイテムの詳細を見る |
<既刊のレビューはこちらをどうぞ>
第1卷
第2卷
第3卷
第4卷
第5卷
第6卷
第7卷
第8卷
第9卷
第10卷
第11卷
第12卷
第13卷
第14卷
第15卷
第16卷
第17卷
第18卷
第19卷
一番いいところで 31番の千秋さまによる解説。
良かったですね~
仙丈さんの解説もCD紹介もありがたいです
ますます、31番が好きになりました。
話は変わりますが、先日愛犬マリーが永眠して1年になりました。永眠してからというもの、穂高くんの写真に癒されてました。本当にありがとうございました
千秋の解説をもつと聞きたい氣持ちもありましたが、その後あのシーンにつながつたので、まあ仕方ないかな?
マリーちやんのこと殘念でしたね。
ご愁傷樣です。
おちからを落されませんやうに・・・
穗高の寫眞、またアップするようにしますね。
でものだめにとって千秋様は未だ、恋人というよりは
ライバルみたいですね(笑)
ちょっと気の毒な千秋様でした。
曲の解説とか知ってると楽しいんだろうなぁ。
無念です!!
31番や「ラヴェエルのピアノ協奏曲ト長調」を今
長女に探してもらってます。
はぁ・・。早く聞きたい
あと黒木くんとターニャ。
あの2人もうまく行きさうで期待してゐます。
31番はベートーヴェンの中でも、抒情的な旋律が素敵な曲です。
特に3樂章(最終樂章)は素晴らしいですよ!
お樂しみに~