單に報道カメラマンを批判するだけの作品ではなかつた。
それが私には嬉しい。
單なる批判に終つてしまふやうな作品なら、「相棒」でなくてもどこにでもあるだらう。
犯人と被害者の間に存在した大きな溝。
彼らの間でコミュニケーションが成立してゐれば、こんな事件は起こらなかつたことだらう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
報道カメラマンの有澤は、誰に、何故、殺されたのか。
通り魔事件をスクープしたからか?
しかし、そうではなかつた。
通り魔犯にはアリバイがあつた。
有澤が開かうとしてゐた寫眞展のポスターには女性の飛び降り自殺の瞬間を寫した寫眞が使はれてゐた。
そして、有澤の部屋にも同じ寫眞が。
どうやら、有澤が殺されたのはこの飛び降り自殺に關係があるやうだ。
有澤のカメラから削除された寫眞を米澤さんが復元した。
その寫眞は、通り魔事件の被害者ではなく、その後ろにフォーカスされてゐた。
といふことは、そこに寫つてゐる人間が犯人なのか?
寫眞に寫つてゐる人間は多いのに、目撃證言が少ないのは何故か?
「傍觀者效果」とは、周圍に多くの人がゐる場合に、自分も行動を起こさないといふ集團心理のこと。
傍觀してゐることを人に見られたくない人もゐる。
警察關係者などは、まさにその代表だ。
右京さんは寫眞をよくみて、緑色のお守りをハンドルからぶら下げた自轉車を見つける。
それは、交番相談員をしてゐる警察OBの自轉車だつた。
そのことを指摘すると、彼は自供した。
しかし、まだ8時半にもなつてゐない。
それに、あの飛び降り自殺との關係もないし・・・
これは、まだひと捻りありさうだ。
有澤は、口止め料を返すやうな人間だつた。
そんな人間が交番相談員を脅迫するだらうか。
事件のあつた時刻は7時50分で、東京では條令で擴聲器はまだ使へなかつた。
擴聲器の音で被害者の悲鳴が聞えなかつたといふ話はありえない。
つまり、交番相談員はこの場にゐなかつたのではないか。
交番相談員は、飛び降り自殺をした女性と知合ひだつた。
飛び降り自殺の瞬間まで寫眞にとつて、それを公開した有澤が許せなかつた。
しかも、有澤は、飛び降り自殺した女性の屍體の寫眞まで寫眞展で展示しようとした。
相談員は、それを阻止したかつた。
しかし、有澤が寫眞展で公開しようとしたのは、女性の屍體の前でひざまづいて悲しんでゐる相談員の背中だつた。
一連の組寫眞のタイトルは「罪」。
女性を自殺に追ひやつた報道のありかたを問ふものだつたのかもしれない。
その組寫眞の最後の寫眞は、亡くなつた女性の笑顏だつた。
それは、相談員と一緒にブランコに乘つてゐる時のものだつた。
有澤は自殺した女性の笑顏を最後に持つてくることで、何を訴へようとしたのだらうか・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<印象的なセリフ>
伊丹:「特命係の杉下警部殿、搜査一課をあごで使つて頂きまして・・・」
まあ、いつものことぢやないか、いたみん。
右京:「僕たちがみてゐたものは、少しフォーカスがずれてゐたやうです」
<ストーリー>
通り魔事件の瞬間をスクープしたカメラマンが殺害された。
週刊誌に通り魔犯の顔写真が掲載されたため通り魔がカメラマンに復讐したのか?
捜査一課が通り魔の行方を必死に追う中、遺留品のカメラを見ていた右京(水谷豊)は写真がいくつか消去されていることに気づき…。
殺されたカメラマンが本当に撮りたかったものは何だったのか…!?
消された写真からあぶりだされる新たな真実とは!
ゲスト:佐川満男 比留間由哲
脚本:守口悠介 監督:橋本一
(以上、 「相棒」公式HP より)
それが私には嬉しい。
單なる批判に終つてしまふやうな作品なら、「相棒」でなくてもどこにでもあるだらう。
犯人と被害者の間に存在した大きな溝。
彼らの間でコミュニケーションが成立してゐれば、こんな事件は起こらなかつたことだらう。
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報道カメラマンの有澤は、誰に、何故、殺されたのか。
通り魔事件をスクープしたからか?
しかし、そうではなかつた。
通り魔犯にはアリバイがあつた。
有澤が開かうとしてゐた寫眞展のポスターには女性の飛び降り自殺の瞬間を寫した寫眞が使はれてゐた。
そして、有澤の部屋にも同じ寫眞が。
どうやら、有澤が殺されたのはこの飛び降り自殺に關係があるやうだ。
有澤のカメラから削除された寫眞を米澤さんが復元した。
その寫眞は、通り魔事件の被害者ではなく、その後ろにフォーカスされてゐた。
といふことは、そこに寫つてゐる人間が犯人なのか?
寫眞に寫つてゐる人間は多いのに、目撃證言が少ないのは何故か?
「傍觀者效果」とは、周圍に多くの人がゐる場合に、自分も行動を起こさないといふ集團心理のこと。
傍觀してゐることを人に見られたくない人もゐる。
警察關係者などは、まさにその代表だ。
右京さんは寫眞をよくみて、緑色のお守りをハンドルからぶら下げた自轉車を見つける。
それは、交番相談員をしてゐる警察OBの自轉車だつた。
そのことを指摘すると、彼は自供した。
しかし、まだ8時半にもなつてゐない。
それに、あの飛び降り自殺との關係もないし・・・
これは、まだひと捻りありさうだ。
有澤は、口止め料を返すやうな人間だつた。
そんな人間が交番相談員を脅迫するだらうか。
事件のあつた時刻は7時50分で、東京では條令で擴聲器はまだ使へなかつた。
擴聲器の音で被害者の悲鳴が聞えなかつたといふ話はありえない。
つまり、交番相談員はこの場にゐなかつたのではないか。
交番相談員は、飛び降り自殺をした女性と知合ひだつた。
飛び降り自殺の瞬間まで寫眞にとつて、それを公開した有澤が許せなかつた。
しかも、有澤は、飛び降り自殺した女性の屍體の寫眞まで寫眞展で展示しようとした。
相談員は、それを阻止したかつた。
しかし、有澤が寫眞展で公開しようとしたのは、女性の屍體の前でひざまづいて悲しんでゐる相談員の背中だつた。
一連の組寫眞のタイトルは「罪」。
女性を自殺に追ひやつた報道のありかたを問ふものだつたのかもしれない。
その組寫眞の最後の寫眞は、亡くなつた女性の笑顏だつた。
それは、相談員と一緒にブランコに乘つてゐる時のものだつた。
有澤は自殺した女性の笑顏を最後に持つてくることで、何を訴へようとしたのだらうか・・・
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<印象的なセリフ>
伊丹:「特命係の杉下警部殿、搜査一課をあごで使つて頂きまして・・・」
まあ、いつものことぢやないか、いたみん。
右京:「僕たちがみてゐたものは、少しフォーカスがずれてゐたやうです」
<ストーリー>
通り魔事件の瞬間をスクープしたカメラマンが殺害された。
週刊誌に通り魔犯の顔写真が掲載されたため通り魔がカメラマンに復讐したのか?
捜査一課が通り魔の行方を必死に追う中、遺留品のカメラを見ていた右京(水谷豊)は写真がいくつか消去されていることに気づき…。
殺されたカメラマンが本当に撮りたかったものは何だったのか…!?
消された写真からあぶりだされる新たな真実とは!
ゲスト:佐川満男 比留間由哲
脚本:守口悠介 監督:橋本一
(以上、 「相棒」公式HP より)
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