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仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

アンケートで思ひ知らされること

2010-03-08 22:27:34 | 再就職記
とつても些細なことだが、失業して困つてゐる、といふか情けないことがある。
それは、ネット上でのアンケート。

「うつ」で會社に行けなくなつてゐた時、ひまつぶし兼小遣ひ稼ぎでアンケートサイトに登録した。
アンケートの依頼メールが屆いて、そのサイトでアンケートに協力するとポイントが貰へる。
そのポイントを一定以上貯めると、換金することが出來る。
1年で1千円ほどになるかならないかの、吹けば飛ぶやうな小遣ひ稼ぎだ。

さうしたアンケートには屬性調査が含まれてゐることが多い。
年齡、性別、家族構成、住居所在地、職業、職種、年收などなど。
このなかで、職業、職種といふのが困る。

まづ第一に困るのが、職業。
「無職」といふ選擇肢があれば良いのだが、時々それがないケースがある。
その場合は、その時點でアンケートを終了せざるを得ない。
屬性調査が最初にあればまだしも、最後にあると脱力してしまふ。
それまでの勞力は何であつたのか・・・

さらに困るのは、職種。
この質問は職業の次に問はれる。
職業の質問で「無職」の選擇肢がなければ、この職種の質問に答へるまでもなく終了するから良い。
ところが、職業で「無職」を選んで次の職種に進んだら、そこに「無職」に相當する選擇肢がない場合がある。
選擇肢の最後に「上記のいづれにも該當しない」といふ選擇肢があれば良いのだが、それもない場合はどうしようもない。
何も選ばずに次に進まうとしてもエラーメッセージが出て、何か必ず選べと云はれるのだ。
そんなご無體な・・・


Logical Thinkingで使はれる用語に、「MECE(ミッシー、ミーシー)」といふ言葉がある。
「相互に排他的な項目」による「完全な全体集合」といふ意味の言葉で、要するに「洩れなく、重複することなく、すべてを網羅する」といふことだ。
たとへば、國會議員を所屬政黨で分類する場合、「無所屬」といふ分類を作らないと「MECE」にならない。
また、たとへば企業の役職者を役職で分類する場合は、「役職兼務」がある場合には重複するので「MECE」にならない。
つまり、「無職」の選擇肢のないアンケートは「MECE」ではなく、網羅性に缺けてゐるといふことだ。


冒頭にも書いたが、こんなことは私の生活に影響を及ぼすやうなことでもないし、じつに些細なことだ。
しかし、こんな些細なことが結構身に堪へたりする。
時間の浪費をした脱力感もあるが、何より滅入るのは自分の居場所がどこにもないといふ感覺。
世の中の何かしらを調査しようとしてゐるアンケートに於いてすら、どこにも所屬できない自分。
そんな自分の状態をあらためて目の前に突付けられて、どうにも我が身が情けない。

たかがアンケート、されどアンケート。
現實社會に所屬してゐるといふ意識をはつきりと自覺できるやうになるためにも、そろそろ就職したいものである。




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