仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

読書録 2023年12月後半

2024-01-05 07:20:00 | 読書録(備忘)

12月16日
旗師・冬狐堂シリーズ2
『狐闇』北森鴻 2002年
再読。
旗師、冬狐堂こと宇佐見陶子が主人公。陶子もすでに38歳。
どうやら古物商としての鑑札を取り上げられてしまったらしい。それが何ゆえなのか。いきなり物語に引き込まれてしまう。
海獣葡萄鏡2枚を落札したはずなのに、1枚はなんと三角縁神獣鏡にすり替えられていた!
次には村山槐多を手に入れたらすぐに盗まれてしまう。
そして、仕組まれた飲酒運転事故。
そこには陶子を陥れる綿密な罠が張り巡らされていた。いったい、誰が、なぜ、何のために…
をを、蓮丈那智、登場!
どうやら、あの税所篤の「税所コレクション」が絡んでいるようだ。
税所篤、明治五年の大仙陵古墳盗掘、三角縁神獣鏡、弓削一族…
物語はとんでもないスケールの話になってきた!

12月19日
旗師・冬狐堂シリーズ3
『緋友禅』北森鴻 2003年
再読。連作短篇集。
やっぱ長篇もいいけど短篇もね!
「陶鬼」
「『永遠笑み』の少女」
「緋友禅」
「奇縁円空」

12月20日
旗師・冬狐堂シリーズ4
『瑠璃の契り』北森鴻 2005年
初読。連作短篇集。
宇佐見陶子の過去がうかがえる短篇集。
「倣雛心中」
「苦い狐」
「瑠璃の契り」
「黒髪のクピド」

12月21日
『孔雀狂想曲』 北森鴻 2001年
再読。連作短篇集。
蓮丈那智や冬狐堂と親交のある雅蘭堂店主・越名集治が主人公。
万引き未遂の女子高生・長坂安積が押しかけアルバイトになる。安積との掛け合いがユーモラス。
「ベトナム ジッポー・1967」
「ジャンクカメラ・キッズ」
「古九谷焼幻化」
「孔雀狂想曲」
「キリコ・キリコ」
「幻・風景」
「根付け供養」
「人形転生」

12月24日
『チルドレン』 伊坂幸太郎 2004年
初読。連作短篇集。
伊坂作品に登場する破天荒なキャラは、この作品では陣内。
陣内だけが全てに登場する。
こんな性格だったら人生楽しかろうな。
「バンク」
「チルドレン」
「リトリーバー」
「チルドレンⅡ」 これが良かった!
「イン」

12月25日
『裂けた風雪 傑作短編集(一)』 森村誠一 1975年
初読。
「裂けた風雪」  さすがにそれはちょっと…
「殺意の接点」
「"自殺“殺人事件」
「供血殺人事件」
「レジャーランド殺人事件」

12月28日
『風の王国』 五木寛之 1985年
何回読んだことか。4読目?
好きな小説。
最初に読んだのはいつだったか…この本を読んだことで二上山に登ったのだった。ということは、長瀬に住んでいた頃だから、1991年から1993年の間だろう。
ストーリーそのものよりも、「歩く」ことに惹かれた。元山岳部の業とでも云おうか。
「へんろう会」とは何か。
主人公の速見卓は、二上山で翔ぶように歩く女を目撃し、仁徳天皇陵で再び彼女を目撃して以来、「へんろう会」に引き寄せられてゆく。
「一畝不耕 一所不住 一生無籍 一心無私」が「へんろう会」の本質。つまり、かつて山窩と呼ばれた非定住・無戸籍の民〈ケンシ〉の末裔。
『狐闇』(北森鴻)に登場したサイショアツシがまたもや登場。
例の仁徳天皇陵盗掘疑惑の税所篤のことだが、漢字を変えて「斎所厚」としている。僕はこの作品で税所篤を知ったのだったかもしれない。
大津皇子を傷み大伯皇女の詠める
うつそみの人にある我や 明日よりはふたかみやまをいろせと我見む 
 
 


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