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著者名 木谷恭介 発行年(西暦) 2003
出版者 徳間ノベルズ 値段 800-1000円
お薦め度 :☆☆☆☆
4ヶ月ぶりの、「宮之原警部シリーズ」
前作「横濱馬車道殺人事件」の後書で、次囘作は「天草御所浦殺人事件」だと豫告されてゐたにもかかわらず、本作の登場となつた。
木谷恭介さんはこれまで1~2ヶ月に1作のペースで作品を上梓されてゐたので、4ヶ月ぶりと云ふのは、健康状態が惡化されてゐるのではと氣掛かりであつた。
さて、本作の舞臺は京都の吉田山。
眞如堂附近にある宮之原警部の住ひのすぐ近くである。
私は學生時代を京都で過した所爲で、このあたりの土地鑑があり、しかも、昨年の秋には宮之原警部の住ひを搜しに眞如堂の界隈を歩き囘つたので、ますます土地鑑は磨かれてゐる。
そのため、普段以上に樂しむことができた。
いつもこのシリーズではいろいろなことを學ぶが、今囘は「藏書票」と云ふものの存在を知つた。
さういつた意味では、このシリーズはたいへん爲になる。
今囘のアシスタントは珍しく若い女性ではなく、オコゼこと魚津刑事だつた。
いやらしい刑事として描かれてゐた魚津刑事もいつしか宮之原警部に一目おくやうになり、いまや宮之原警部を尊敬してやまない。
そんな魚津刑事の活躍が樂しめる。
小清水警視正の魅力も健在である。
2003年7月19日讀了
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