どくとるマンボウ青春記新潮社このアイテムの詳細を見る |
著者名 北杜夫 発行年(西暦) 2000
出版者 新潮文庫 値段 500-600円
お薦め度 : ☆☆☆☆☆
中學1年の時に讀んで、それ以來、舊制高校に憧れた。
弊衣破帽、バンカラな高校生。
デカルト、カント、ショーペンハウエルを讀み耽り、バッキャローとどなり(挨拶し)、ストーム(嵐のごとき襲撃)をかける。
これぞ、私の理想の高校生の姿となつた。
舞臺は舊制松本高校、敢て云へば現在の信州大學の教養部に相當する。
(まだ「教養部」制度は存在してゐるのだつけ?)
周圍は北アルプスの大自然で、終戰直後の「國破れて山河あり」そのままのシチュエーション。
いつたい、この本を何囘讀んだことか。
文庫本だつたが、表紙が擦り切れてセロテープで修繕して讀んでゐた。
當時の本は手許にないが、懷かしくなつて、また購入してしまつた!
といふわけで、20數年ぶりに再讀。
久しぶりに讀んで、私の青春時代が蘇へつた。
この本の影響で、高校時代は朴齒の下駄で學校に通つた。(休みの期間だけだが)
さう云へば、寮生活に憧れて、北大とか東北大を受驗しやうと思つたこともあつたなあ。
結局、寮生活はしなかつたが、京都では學生アパートで、アパートとの住人たちと寮生活をしてゐたやうなものだつた。
この本の冒頭ちかくにでてくる言葉。
憧れを知るもののみ、
我が惱みを知らめ
これがゲーテのミニヨンの詩の一節だと教へてくれたのは、私の初戀の人だつたつけ・・・
試驗の時に、手も足もでないときに、短歌を書いたり、駄文を書いたりしたのも、この本の影響だつた。
もちろん、それで通つた試驗はなかつたけれども・・・
40歳を過ぎてから、この本を讀むと、自分の青春時代がまざまざと蘇へつてくる。
俺も年とつたよなあ・・・
2003年7月17日讀了
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