『 刑事長 (デカチョウ) 』 姉小路 祐
お薦め度 : ☆☆☆+α
2009年4月8日讀了
大阪・梅田の紀伊國屋書店で、平積みにされてゐた。
「大阪限定再版、當店のみで發賣!」
といふ張り紙がされてゐた。
「限定」といふ言葉に弱い私は、さつそくこの本をレジに連れていつたのだつた。
2段ロケット。
この本を讀んでさう思つた。
冒頭に描きだされてゐる陰慘な殺人事件は、本書の中ば過ぎに解決する。
しかし、その殺人事件に附隨する、猥褻寫眞賣買といふいはば些細な事件を見逃さないのが、主人公の「刑事長」。
警察内部の不正や、階級社會の歪みが描きだされて行く。
第1段の殺人事件の解決については、推理小説。
率直に言つて、ありふれたトリックによるものであり、ここまでだけであればお薦めしない。
この小説の良さは第2段ロケットにある。
最後の最後になるまで眞犯人はわからないのだが、解決に向ふ加速感が心地好い。
犯罪搜査に、「エリート」も「エライさん」も「ジャコ」も關係ない。
大切なことは、犯罪を憎む心に忠實であるかどうか、だ。
お薦め度 : ☆☆☆+α
2009年4月8日讀了
大阪・梅田の紀伊國屋書店で、平積みにされてゐた。
「大阪限定再版、當店のみで發賣!」
といふ張り紙がされてゐた。
「限定」といふ言葉に弱い私は、さつそくこの本をレジに連れていつたのだつた。
2段ロケット。
この本を讀んでさう思つた。
冒頭に描きだされてゐる陰慘な殺人事件は、本書の中ば過ぎに解決する。
しかし、その殺人事件に附隨する、猥褻寫眞賣買といふいはば些細な事件を見逃さないのが、主人公の「刑事長」。
警察内部の不正や、階級社會の歪みが描きだされて行く。
第1段の殺人事件の解決については、推理小説。
率直に言つて、ありふれたトリックによるものであり、ここまでだけであればお薦めしない。
この小説の良さは第2段ロケットにある。
最後の最後になるまで眞犯人はわからないのだが、解決に向ふ加速感が心地好い。
犯罪搜査に、「エリート」も「エライさん」も「ジャコ」も關係ない。
大切なことは、犯罪を憎む心に忠實であるかどうか、だ。
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が、著者は大阪弁と京都弁を混同されているようです。 ご本人が京都のご出身なので、お気づきじゃないようですが、大阪では「・・・どす」とは言いません。 「・・・だす」といいます。 「あんさん」も目下に向かってはあまり使いません。 「あんた」と言います。
このあたりを修正していただいたら、いちいちひっかかることなく、面白ぅに読ませてもらえるんですが・・・
私は關東生まれの關東育ちですが、京都で5年を過し、大阪で20數年勤務して來たので、それはわかります。
でも關西の言葉は難しいですね。
京都、大阪、神戸、それぞれ違ふし、さらに大阪でも河内と泉州では違ふらしいですし・・・
あ、千葉と茨城でも全然違ふから、同じかもしれませんね?