ここはどこ？私は・・・？

１４日の朝、氣が附いたらＳ縣のＳ驛のホームにゐた。
私の意識が戻つた時、私は時刻表を見上げてゐた。
オレはここで何をしてゐるのだ？
それより、いつたいここはどこだ？
昨夜は大阪で飮んでゐた。
その後カラオケで歌つてゐた筈だが、記憶が定かでない・・・

明るい朝の日差しをいつぱいに浴びて、私は戸惑つてゐた。
時刻は８時半過ぎ。
これから會社に向ふ人達が列車を待つてゐる。
私も會社に向はなくてはならない筈だ。

自分の姿を改めて見てみると、着てゐた筈の上着を着てゐないのみならず、ザックも持つてゐない。
ズボンのポケットを探つてみるが、財布も持つてゐないし、不思議なことに切符すら持つてゐない。
いつたいどうしたことなのだらう。

そこから記憶が飛んで、ＪＲ大阪驛の改札。
切符を持つてゐないので、驛員に、何もかも無くしてしまつたやうだと告げる。
親切な驛員は、遺失物係の場所を教へてくれた。
そこは改札の外だつたので、そのまま改札を通してくれた。

ＪＲの遺失物係で電話を借りて、會社に電話を入れる。
とりあへず事情を説明し、（といつても自分でもたいしたことはわかつてゐないのだが）、少なくとも午前中は休む旨を傳へた。
次に向つたのは、大阪驛近くのＳ警察署。
ここでも遺失物の屆を出した。

結局、無くしたものは、ザックとその中身、財布、上着、通勤定期、携帶電話、私鐵のプリペイドカード、會社のセキュリティカード・・・

無一文なので、家に歸ることも出來ず、會社に寄つて、チームメンバーにお金を借りた。

家に歸ると、會社から電話があり、阪神電鐵の遺失物係からザックの拾得聯絡があつたとのこと。
なにはともあれ、よかつた。

その後、泥のやうに眠つた。

翌日、ザックとその中身、財布は戻つてきた。
現金は３枚は殘つてゐてしかるべき１萬圓札が１枚も殘つてゐない。
拔かれたのか、それとも自分で使つたのか・・・
幸ひなことに、キャッシュカードは使はれてをらず、無事だつた。
しかし、上着、定期、携帶電話などは依然として見つからない。

けふは、携帶電話をストップし、新たに携帶電話を購入してきた。
機種變更といふのださうで、これで無くした携帶電話は使へなくなるのださうだ。
惡用される恐れがあるのでやむをえない措置ではあるが、勿體ないやうな氣もする。
定期も買はなくてはならないのだが、見つかつた時のことを思ふとこれまた勿體ないやうな・・・
まあ、そんなことを云つてゐてはキリがないので、明日は定期も購入するとしやう。

それにしても・・・・
私はいつたい何をしてゐたのだらう。
どうやつてＪＲに乘つたのだらう。
Ｓ縣のＳ驛なんて、全く方向違ひなのだが・・・。