本作品のキャッチコピーであるこの言葉が好きでした。
星たちに聞くんだ
悲しみを乗り越えるには
どうすればいいのかを
インスピレーションが働き出して、頭が勝手に翻訳しだす。
銀河の星々にその方法を訊ねてみるしかないほどまでに
地上の果てまで転げ回り、もがき苦しみ、探し尽くしても、まだ乗り越えられないでいる「悲しみ」。
でも、僕は歩く。
そう解釈した。
作者の宮沢賢治は、最愛の妹を喪った。
昔読んだ、タイトルも思い出せない本に書いてあったセリフを思い出す。
「人間が自分の意思でコントロールできないこと。
それは生まれてくること、人を愛すること、いつか死んでしまうこと。」
全てを目の前に、空を見上げ、筆を執った宮沢賢治を想った。
だからそんな人の原作を舞台化した作品で、
その芯に対する尊敬と共感だけはぶれずに稽古、本番と進んで行きたかった。
天国の宮沢賢治に演技を認められなくても、尊敬する思いだけは力強く持って。
だから列車に乗り込むシーンや、到着するシーンで観客に背を向けている長い時間も
愛しい思いを途切らせることなく、舞台上に存在できた気がしてる。
後頭部は十分、存在主張してるって言われそうですけど(笑)
あるシーンでは恐竜を頭に乗せて、メインを司らせていただいた頑張りどころがありながらも、
前述のシーンみたいな深遠な頑張りどころもある。
こんな作品は初めてだったかもしれない。
そしてすべてのシーンを、舞台監督の平山さんや、照明の加瀬先生、音響の畑さん、
振り付けのMIKO先生、古村先生、メイクの国際文化専門学校の竹内先生を始めとする先生方、受付のスタッフの方々・・・
最強の裏方スタッフ陣が、美しく纏めてくれました。
想いがあって、初めて人は繋がる。
改めて舞台って濃密な総合芸術空間だ!と思わされた作品でした。
この作品に参加できてよかった。
ご来場くださったお客様、ならびにご協力頂いた関係者の皆様に、まっすぐに心から感謝です。
本当にありがとうございました!
HADO