肩の凝らない漢方の話

漢方薬にまつわるあれこれを、気の向いた順に語っていきます。
私たちの生活に根差した漢方の世界をご紹介します。

漢方小噺~お正月の風習 2~

2024-12-26 21:30:11 | 漢方小噺
あっという間に年の瀬です。
漢方専門薬局がお勧めする、お正月に取り入れたい風習
お屠蘇に続いて、初風呂です。
初湯とも若湯とも言い、季語にもなっているそうです。

初風呂とは、新年初めて入るお風呂のことです。
今は、多くの人がほぼ毎日お風呂に入りますが、
江戸時代には、元旦は「福を流して洗ってしまわないように」お風呂に入らず、
正月二日のお昼に初湯に入ったそうです。
地域によっては今もその風習を守っているところもあるようです。

元旦は、人だけでなく、道具も休ませる大切な日。
毎日使う、場所や道具にはそれぞれを司る神様がいると考え、
元旦はその神様に感謝をし、休息していただく日とされていました。

初風呂に薬草を入れ、身を清め新年の無病息災を祈願してみませんか?
ヨモギや松葉など、香りもよく体を温めてくれる薬草がお勧めです。

それでは、良い年をお迎えください。

参考 ちょっと江戸知識 コラム江戸

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漢方小噺~お正月の風習~

2024-12-12 18:47:38 | 漢方小噺
師走ですね。街には、お正月商品が並んでいます。
少し早い気もしますが、
漢方専門薬局が選ぶ、お正月に取り入れたい風習を2つご紹介します。

ひとつめが 「お屠蘇(とそ)」

これは絶対、外せません。我が家では、毎年欠かさずいただいています。

一家の健康と長寿を願い、
元旦から三ヶ日の間は、年の若い人から順にお屠蘇をいただきます。

その由来は、諸説ありますが、
漢の名医 華佗(かだ) が発明し、日本には、平安時代に伝わったとされています。
邪気を屠り絶やし、人の根気を蘇生せしめるというので、屠蘇と命名したそうです。

今に伝わる屠蘇散の処方はいくつかあるようですが、
基本は、山椒、陳皮、桂皮、山帰来、白朮、防風、桔梗を合わせたもので、
とても良い香りがします。

作り方は簡単。
屠蘇散 一袋をみりんまたは清酒 三合~五合に浸け、一晩おきます。

お好みでみりんと清酒を合わせたり、白ワインをつかってもよいそうです。
みりんをお鍋にいれて1分くらい沸騰させたものに浸ければ、お子さんやアルコールが苦手な方もいただけます。

我が家はみな、アルコールが苦手なので、煮切みりんを使った、甘いお屠蘇派です。
盃を口元に寄せると、芳しい香りがして、何とも言えない幸せな気持ちになります。

ぜひ、お試しください。

ふたつめは 「初風呂」
  こちらは次回に。
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漢方小噺~冬の過ごし方~

2024-11-22 18:13:19 | 漢方小噺

 ようやく冬がやってきました。
 一年が過ぎるのは早いですね。
 漢方小噺として季節の過ごし方をご紹介してきましたが、最後の季節、冬です。

  中国の古い医学書「黄帝内経(こうていだいけい)」によると、
 冬は「閉蔵(へいぞう)。もろもろのものが門戸を閉ざして閉じこもる季節」だそうです。
 その冬の養生法は次のように記されています。
*夜は早く寝、朝は遅くまで床にあって、日が昇ってから起き、寒気に損なわれないようにする
*気を鎮めて、何かしなければ、と思う気持ちを隠す
*ひそかな心持で、すべてに満足する
*直に寒さに触れないよう、温かくして過ごす
*働きすぎて汗をかいたり、陽気を逃さないようにする

  天の陽気の力も弱くなる冬。心も体も穏やかに過ごす。身体を温める。
 動きすぎて汗をかかないように注意して、体の中の陽気を逃がさないよう。
 陰気を養うように過ごせば、春も元気に迎えることができるそうです。

  とはいえ、師走は、仕事納めや大掃除、迎春準備と心も体もフル回転の時期です。
 だからこそ、8割出来たら大満足。5割できたらヨシ。
 くらいの気持ちで過ごしましょう。

  今年は、夏も秋も暑い日が続き、陽気を使いすぎ、
 エネルギー不足の人が多くみられます。
 冬の間に気を養い、新しい一年を元気に過ごせますように。

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漢方小噺 ~秋の過ごし方~

2024-09-13 17:16:33 | 漢方小噺
   もうすぐ秋の彼岸ですね。「暑さ寒さも彼岸まで」といいますが、今年はどうでしょうか?
  お彼岸が過ぎるのを楽しみに待ちたいと思います。
  相変わらず、気温の高い日が続いていますが、夜になれば虫の声が聞こえてきて、
  ススキや萩など秋の花もちらほら姿を現してくれています。
  季節は確実に進んでいますね。

   中国の古い医学書「黄帝内経(こうていだいけい)」によると
  秋は
   「容平(ようへい)。
     天地の気が引き締まって澄んでくるように、すべてのものの形が定まる季節」
  だそうです。
  
  その秋の養生法は次のように記されています。
   *鶏のように早く寝て早く起きる
   *志を安らかにし、やりたくてもできなかったあれこれを悔やまず、心をゆったりとさせる。
   *やり残したことをやり遂げようと、あちこち動き回らず、心を落ち着かせる。
   *冷えを受けて「肺」を冷やさないようにする。

   一年の終わりが見えてくる秋。
  やり残したことがあれこれ気になる方も多いでしょうが、落ち着いて日々を過ごしましょう。
  そうすると 冬に風邪をこじらせたり、冷えて困るようなことが起こらないそうです。
 
   とはいえ、秋じゃなくてもあれこれとやるべきことが多く、落ち着いてなんかいられない!
  という方もみえますよね。 
   多少バタバタしても、くよくよ嘆かなければ良いと思います。
   「悲」は「肺」を痛めます。
   忙しく動き回った日は、後悔や反省は横に置いて。
   寝る前に少しでも、心を落ち着かせる時間が持てるといいですね。
  
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漢方小噺 ~夏の過ごし方~

2024-08-01 13:57:46 | 漢方小噺
 暦の上では、夏は、5、6、7月の3か月です。
今年は7月19日~8月6日が夏の土用。
8月7日立秋から秋になります。

 ですが、それはあくまでも暦の上のお話。
今年は、10月まで、平年より気温が高くなるらしいですね。
というわけで、先人に学ぶ、夏の過ごし方をご紹介します。

 中国の古い医学書「黄帝内経(こうていだいけい)」によると、
夏は「蕃秀(ばんしゅう)。
天地の陰陽の気が活発に交流し、陽気が多く発生するので、
生命あるものすべて、花咲き実る盛んな季節」
だそうです。成長の季節ですね。

 その夏の養生法は次のように記されています。
*夜は夜更かしせず、朝は早く起きる。
*日が長くても飽きないようにする。
*春に思い起こした志を高ぶらせることなく、のびのび過ごす。
*体内の陽気を発散させる。
*心に不満をためない、体に熱をこもらせない。

 夏に『ため込まず、ほどよく発散させる』ようにすれば、
秋に疲れが出ず、健康に過ごせるそうです。

 『ほどよく』が難しいのですが、例えば、お風呂。
暑いからとシャワーで終わらせず、
37~39℃のぬるめのお風呂にゆっくりつかってみてください。
特に、冷え症の人は、秋、冬を過ごしやすくなりますよ。

入浴前の水分補給もお忘れなく。
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