★薬食同源★ 茄子 本草綱目にも収載されている野菜です。
◆茄 子◆ 食用としても誰もがご存じの「なす科なすびの果実」です。
明の時代に李時珍(1518~1593)が編纂した「本草綱目」に記載されているれっきとした薬草です。
「秋ナスは嫁に食わすな」と云うことわざがありますが、意味として2通りあって、「一番美味しくなる秋の茄子を憎い嫁に食わすなんてもっての他」と「秋ナスはお腹を冷やすので世継ぎを産んでもらいたい可愛い嫁さんに食わすわけにいかない」との悪意と善意に別れる説があります。
先程の本草綱目には「茄子甘し寒にして毒無し 志曰く、凡そ久冷の人は多く食ってはならぬ。人を損じ、気を動じ、瘡、及び痼疾を発する。李廷飛曰く秋後に食えば多く目を損ずる。時珍曰く按ずるに生生編に茄子は性が寒利である。多く食えば必ず腹痛し、下痢し、婦人は能く子宮を傷める」とあります。
これから云えば後者の善意説が優勢です。
また同書には「宗奭曰く、畑に作る蔬菜中、これだけは益なきもので、開宝本草にはどこにも主治が記載されずただ人を損ずることだけを説いてある。(略)時ならざれば食わずと云う。」とまで酷評しています。
いくら美味しいからといって時期はずれのものはたべないことです。私の子どもの頃は夏の暑い時期に、沢山出来て安くなるので毎日茄子料理ばかりで閉口したものです。暑いさかりであれば身体を冷まし熱中症予防の良い食品だったと思います。
高く売れるからといって、温室で育てて旬を外した茄子は感心しませんね。
こんなに酷評される茄子ですが薬用としては有用です。前述の本草綱目には「茄子主治、寒熱五臓の労、温疾伝尸労気を治す。醋で摩って腫毒に傳ける。老いて裂けたものの焼灰は乳裂を治す。血を散じ痛を止め、腫を消し腸を寛にするとあります。
茄子の実や皮、蔕の黒焼きは色んなところで使われています。口内炎や乳腺炎、乳首の傷、食当たり、魚の中毒、婦人陰部のただれ、血便、浮腫みに良いといわれています。歯槽膿漏の予防には昔から茄子の黒焼きで歯を磨くと良いと云われていて今でも製品として流通しています。
江戸時代の川柳に「玄伯が下手でも治す汗ナマズ」とか「玄伯の加減で鰒の毒を消し」とあります。玄伯とは江戸本所あたりで摂れる品質劣等の茄子のことで、川柳ではしばしば藪医者の代名詞として登場しています。前述の川柳は本草綱目の主治と一致しています。
また民謡おてもやんにも「玄伯なすびのいがいがどん」と歌われています。
「茄子の蔕糸に通して女房干し」とか「遠きをおもんばかり茄子のへたを干し」とあるように、毒消しや色んな病気に備えていたようです。
野菜は旬の一番美味しい時に美味しく頂きましょう。
◆茄 子◆ 食用としても誰もがご存じの「なす科なすびの果実」です。
明の時代に李時珍(1518~1593)が編纂した「本草綱目」に記載されているれっきとした薬草です。
「秋ナスは嫁に食わすな」と云うことわざがありますが、意味として2通りあって、「一番美味しくなる秋の茄子を憎い嫁に食わすなんてもっての他」と「秋ナスはお腹を冷やすので世継ぎを産んでもらいたい可愛い嫁さんに食わすわけにいかない」との悪意と善意に別れる説があります。
先程の本草綱目には「茄子甘し寒にして毒無し 志曰く、凡そ久冷の人は多く食ってはならぬ。人を損じ、気を動じ、瘡、及び痼疾を発する。李廷飛曰く秋後に食えば多く目を損ずる。時珍曰く按ずるに生生編に茄子は性が寒利である。多く食えば必ず腹痛し、下痢し、婦人は能く子宮を傷める」とあります。
これから云えば後者の善意説が優勢です。
また同書には「宗奭曰く、畑に作る蔬菜中、これだけは益なきもので、開宝本草にはどこにも主治が記載されずただ人を損ずることだけを説いてある。(略)時ならざれば食わずと云う。」とまで酷評しています。
いくら美味しいからといって時期はずれのものはたべないことです。私の子どもの頃は夏の暑い時期に、沢山出来て安くなるので毎日茄子料理ばかりで閉口したものです。暑いさかりであれば身体を冷まし熱中症予防の良い食品だったと思います。
高く売れるからといって、温室で育てて旬を外した茄子は感心しませんね。
こんなに酷評される茄子ですが薬用としては有用です。前述の本草綱目には「茄子主治、寒熱五臓の労、温疾伝尸労気を治す。醋で摩って腫毒に傳ける。老いて裂けたものの焼灰は乳裂を治す。血を散じ痛を止め、腫を消し腸を寛にするとあります。
茄子の実や皮、蔕の黒焼きは色んなところで使われています。口内炎や乳腺炎、乳首の傷、食当たり、魚の中毒、婦人陰部のただれ、血便、浮腫みに良いといわれています。歯槽膿漏の予防には昔から茄子の黒焼きで歯を磨くと良いと云われていて今でも製品として流通しています。
江戸時代の川柳に「玄伯が下手でも治す汗ナマズ」とか「玄伯の加減で鰒の毒を消し」とあります。玄伯とは江戸本所あたりで摂れる品質劣等の茄子のことで、川柳ではしばしば藪医者の代名詞として登場しています。前述の川柳は本草綱目の主治と一致しています。
また民謡おてもやんにも「玄伯なすびのいがいがどん」と歌われています。
「茄子の蔕糸に通して女房干し」とか「遠きをおもんばかり茄子のへたを干し」とあるように、毒消しや色んな病気に備えていたようです。
野菜は旬の一番美味しい時に美味しく頂きましょう。