肩の凝らない漢方の話

漢方薬にまつわるあれこれを、気の向いた順に語っていきます。
私たちの生活に根差した漢方の世界をご紹介します。

3月3日は桃の節句です。

2016-03-04 09:18:07 | 薬食同源
あなたにとって春の花は 桜? 梅? 桃?
3月3日は桃の節句です。春の花と言えば日本では桜、中国では桃の花です。何故か日本では梅と桜に挟まれて桃の花は存在価値が少ないようです。中国では桃は長寿を意味する仙果であり、桃の花咲き乱れる桃源郷は中国の故事にある理想郷を意味します。天帝の庭の桃を盗み食いして不老不死になったのは孫悟空だそうです。
「もも」は沢山実をつけるので木偏に兆と書き、日本語では「百々」の字を充てています。中国原産のばら科さくら属で、ネクタリンやアーモンドの仲間です。種子はアーモンドそっくりです。
日本への渡来は古く弥生時代の遺跡から種子が出土していますし、古事記や日本書紀にも果実の記述があります。果実、種子、花、葉とも薬として応用されています。
白桃の花(開花前後の蕾)の新しいものを3g~5gを煎じて飲むと激しい水瀉性の下痢を起こして体中の水分を取り浮腫を治します。但しこれは一時的で水を飲んでいるとまた浮腫が来ます。身体の弱い人や老人や子供は飲んではいけません。1年以上経ったものは効果がありませんので常に新しいものを補給しておく必要があります。
桃の果実は食物繊維が豊富で便秘に効果があります。種子は桃仁と言って煎じて飲むと、咳や便秘、月経不順、打撲や捻挫やそれに伴う内出血・疼痛などに効果があります。また血の道の薬の桃核承気湯や桂枝茯苓丸などに配合されています。月経障害、冷えのぼせ、肩凝り、便秘、打撲などに使われています。
桃の葉は特に子どもの「あせも」の薬として有名です。煎じた液を「あせも」につけたり、風呂に入れて浴剤として使うときれいに治ります。
種子や葉には若い梅の実と同様にアミグダリンという青酸化合物が含まれていて、煎じたり、浴剤にすると青酸ガスが発生することがあります。換気には充分注意してください。   
ただしそんなに怖がる必要はありません。長年煎じて服用したり、外用してきた私ですがまだまだ元気にしていますから。
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