肩の凝らない漢方の話

漢方薬にまつわるあれこれを、気の向いた順に語っていきます。
私たちの生活に根差した漢方の世界をご紹介します。

プロフィールの神農像について

2015-11-05 09:39:30 | 日記
中国の薬の神様「神農」さんです。
◆神農炎帝◆ 中国の薬の神様
中国の古代の伝説の三皇五帝の一人、その姿は人身牛首で、農耕と医薬の祖とされています。
 農具を作り、人々に農耕を教えました。
 また人々のために百草の滋味や水泉の甘苦を調べ薬になる物や毒になる物を人々に教えました。このことから神農は薬の神様として今も祀られています。
 この時神農は1日に70種もの毒に遭ったといわれています。その他琴を作り音楽の楽しみを教えたり、市を開いて物々交換の便利さを教えたり、易の八卦を作ったのも神農だとも云われています。
 現在東洋医学の生薬の事を書いた古い本「神農本草経」が伝わっていますが、流石にこれは神農が書いたものでなく、漢の時代の誰かが神農の名を借りて著したものです。今でも生薬の働きを知る手掛かりとして私たちも重宝しています。
 それによると薬物には365種あり、動物生薬67、鉱物生薬46、植物生薬252種が記載されています。
 東洋医学の源は不老長寿、仙人になることを目的に薬物の研究がされました。西洋の科学が金を作る事を目的に錬金術として発達したのとは対照的です。
 365種の薬物を上薬、中薬、下薬に分けらています。上薬(120種)には人参などがあり長服すると不老延年、身が軽くなるとされています。ただこの中には朱砂のような水銀剤もあって遺体の防腐剤に使われていたような危ない薬品も入っています。鵜呑みには出来ません。
中薬(120種)には無毒と有毒があって病を治し養生に効果があるとされています。使うのに注意が必要です。
 麻黄や当帰が分類されています。
下薬(125種)は有毒で使うのに細心の注意が必要だが病を治すのに必要な薬です。
 毒草のトリカブトの根の附子、下剤の大黄などが有ります。

 これは、イチイの一刀彫りの神農像です。ちなみにプロフィールのは九谷焼の神農像です。
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