肩の凝らない漢方の話

漢方薬にまつわるあれこれを、気の向いた順に語っていきます。
私たちの生活に根差した漢方の世界をご紹介します。

暮らしと健康~肺の弱り~

2024-09-24 18:42:26 | 暮らしと健康

 秋に影響を受けやすい五臓は「肺(はい)」です。
 「肺」は、外気から清気を吸い、体の中の濁気を外に出します。
  外気。
  食事から得た水穀の気。
  生まれたときから備わっている先天の気。
 この3つの気は、肺に蓄えられ、宗気となり、
 呼吸の原動力や全身に気をめぐらす肺気のもとになります。

 気は、体を動かすエネルギーのようなものです。
 気の働きが悪くなったり、流れが滞ると健康を害します。
 
 また、「肺」は、体の表面で、皮膚や毛、鼻に気をめぐらせて、
 ウイルスなどの外邪が入ってこないように防御しています。
 ですから、「肺」の働きがわるくなると風邪をひきやすくなるといわれています。

 「肺」は、乾燥や辛い物のとりすぎ、憂い、悲しみすぎると弱るといわれています。
 「肺」を元気にする食べ物にネギ。稲(米)があります。
 ちょうど、新米の季節ですね。
 炊き立てご飯に刻み葱の味噌和えや鰹節と醤油和えをのせて、ゆっくりかみしめると、
 「肺」も元気になるかもしれませんね。

 最近、なんだか調子が悪い。
 「どこも悪くないですよ。」「様子を見ましょう。」と言われたけれど…
 そんなモヤモヤ解消に漢方を試してみませんか?
 あなたの体質に合った漢方薬をご紹介します。

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漢方小噺 ~秋の過ごし方~

2024-09-13 17:16:33 | 漢方小噺
   もうすぐ秋の彼岸ですね。「暑さ寒さも彼岸まで」といいますが、今年はどうでしょうか?
  お彼岸が過ぎるのを楽しみに待ちたいと思います。
  相変わらず、気温の高い日が続いていますが、夜になれば虫の声が聞こえてきて、
  ススキや萩など秋の花もちらほら姿を現してくれています。
  季節は確実に進んでいますね。

   中国の古い医学書「黄帝内経(こうていだいけい)」によると
  秋は
   「容平(ようへい)。
     天地の気が引き締まって澄んでくるように、すべてのものの形が定まる季節」
  だそうです。
  
  その秋の養生法は次のように記されています。
   *鶏のように早く寝て早く起きる
   *志を安らかにし、やりたくてもできなかったあれこれを悔やまず、心をゆったりとさせる。
   *やり残したことをやり遂げようと、あちこち動き回らず、心を落ち着かせる。
   *冷えを受けて「肺」を冷やさないようにする。

   一年の終わりが見えてくる秋。
  やり残したことがあれこれ気になる方も多いでしょうが、落ち着いて日々を過ごしましょう。
  そうすると 冬に風邪をこじらせたり、冷えて困るようなことが起こらないそうです。
 
   とはいえ、秋じゃなくてもあれこれとやるべきことが多く、落ち着いてなんかいられない!
  という方もみえますよね。 
   多少バタバタしても、くよくよ嘆かなければ良いと思います。
   「悲」は「肺」を痛めます。
   忙しく動き回った日は、後悔や反省は横に置いて。
   寝る前に少しでも、心を落ち着かせる時間が持てるといいですね。
  
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