肩の凝らない漢方の話

漢方薬にまつわるあれこれを、気の向いた順に語っていきます。
私たちの生活に根差した漢方の世界をご紹介します。

柿が赤くいろんで来ました。

2015-09-05 15:20:41 | 日記
★薬食同源★ 旬を食べる
柿は中国原産のカキノキ科の落葉高木です。奈良時代に日本に渡来し、万葉集や源氏物語にも登場する非常に古い果物です。野生種の山柿と栽培柿があります。甘柿は鎌倉時代に品種改良されたもので、富有、次郎、禅寺丸などがあります。渋柿には蜂屋、西条、愛宕などがあります。柿渋の正体は果実細胞中に含まれるポリフェノールのタンニンです。
これが渋柿では、可溶性のため渋く、甘柿では不溶性のため甘く感じるのです。
昔から「柿が赤くなると、医者が青くなる」といわれるほど良質の糖分、多量のビタミンC、βカロチン、腸の働きを良くするペクチンを含み免疫機能を高め風邪などの感染症を予防し、美肌を作ります。また多く含まれるタンニンやカリウムは動脈硬化を予防し高血圧症を改善します。また、アルコール分解酵素が含まれていて悪酔い、二日酔に効果があります。ただし胃腸を冷やすので、夜間の過食や冷え症の人は慎むべきです。
関ヶ原の合戦で敗れた石田三成が処刑される前にすすめられた柿を「腹を冷やすから要らない」と断った逸話は有名です。
干し柿は炭水化物、カロチン、カリウム、食物繊維が豊富なので、疲労回復、便秘改善、生活習慣病予防に効果があります。
柿の葉に含まれるビタミンCは若葉100gで1,000mg含まれています、ちなみにレモン1個に含まれるのはわずか50mgです。この天然のビタミンCの含有量は驚異的です。柿の葉や柿の葉茶が愛用される理由です。
血管強化、血液浄化の働きがあり、動脈硬化、脳卒中、高血圧、糖尿病、がん、風邪の予防、老化の予防にと大活躍する薬草です。
「柿の葉茶」は6月~9月に採集したものを2日位陰干ししてから、蒸気で2~3分蒸して、細切りにして完全に乾燥して保存します。服用法は熱湯を注いで10分間位そのままにしてビタミンCを充分煎出して飲んでください。
柿渋は柿渋染めや、渋団扇、唐傘、渋紙に使われますが、この柿渋を酒盃1杯に同量の大根おろしを加えて飲むと卒中発作に効果的で麻痺が残らないと云われています。連用すると血管強化に効果的で高血圧、中風の予防になります。
柿の蔕はシャックリの特効薬で、蔕だけでも効きますが10gに生姜、甘草各2gを加えて煎じて飲むと効果的です。柿蔕湯、丁香柿蔕湯と云うシャックリの漢方薬もあります。
また柿の木は黒檀の仲間でその黒い柿紋が美しいので家具や床柱などに珍重されています。このように柿は捨てるところない素晴らしい果樹です。
花言葉が「慈愛」と云うのも嬉しいですね。お腹を冷やさない程度に頂くためにそろそろ産地の方へ出かけられては如何でしょうか。


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ブログを始めました。

2015-09-04 16:09:34 | 日記
ブログ開始のご挨拶です。次回から漢方あれこれと題して拙い文章を書いていきますのでよろしく。
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