小学4年生位の頃、運動会でマスゲームをした。
練習では号令をかけられ、笛を吹かれ、一つ一つの動作を教えられ…体育の時間は何週間もその積み重ねだった。
ある段階に到達すると突如、「反時計回りに走り回れー、隙間を空けるなー」と言われ、面食らった。訳も分からず、ただ走り回った。
こうして一連の動作をすっかり覚えたと思ったら、「今日から上級生も一緒にやります」。再び単調なシンクロの練習。
ただし上級生は、僕らの動きをサンドイッチのように挟みながら…それぞれの列が同心円を作り、時に併行し、時に逆行し…眩暈がするようなゾクゾク感!
更に上達すると号令は無くなり、代わりに音楽が流れた。
同心円で走り回る場面は丁度音楽のクライマックス、冒頭のテーマが戻ってくる場面だった。
僕らは無邪気に走り回っているが、上級生はその中で片ひざをついて両腕を斜めに広げた優美な風車のような動きや、がっちりと組んでゴシック建築のような形を構築しているのだ。
走りながら誇らしかった。風になったようだった。
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