今回も例年同様皆さんの演奏はどれも意欲的で、すべての出演者を称えたい。
さて先月、こんな人と話した。国語の先生を辞めて、サクソフォーンの先生になりたい、という…。
僕はその人がどんなサクソフォーンの先生になるのか量るために、どんな国語の先生だったのか知りたくて、こう質問した。
「国語教育が目指しているものは何ですか」と。
しばらく考えて、その人は答えた。
「国語を好きになることです」また、「人を好きになることです」。
美しい答だ。でも僕ならこう言っただろう。
・まず一つ一つの言葉の意味が分かる。
・次に段落の内容が分かり、段落の連なりの関係が分かる…受け継いでいるのか、反対の事か、あるいは譬え話なのか。
・その次は、どんなに長い文章でもごく短く要約できる。
・そして究極的には、文章に書かれていない、筆者の本音を見抜くこと…戦争に行った兵は手紙に本音など書けない。否、世の中に文章はあふれているが、その内どれほどが本音を書いているのか。
最後に「この『言葉』『文章』を『楽譜』に置き換えれば、音楽も同じなのです」と。
今日の皆さんの演奏のように!
(第31回島村楽器音楽コンクール本選会で私が述べた講評/紀尾井ホール)
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