藝大21「創造の杜2012~ヴォルフガング・リーム」を東京藝術大学奏楽堂で聴く。
ヴァイオリンと管弦楽のための《第3の音楽》はオケにフルート、トランペット、ヴァイオリンが無く、アコーディオンがソロ・ヴァイオリンを強化したり影となったりする。このアコーディオンとハープ、ピアノが鮮やかな「音の部屋」を形成する以外、基調となるのはオケが作る暗い重低音の膜の上をヴァイオリンが呪術的に走り抜ける形。途中2回、訥々と長い間をとりながらヴァイオリンのピッチカートとコンガの乾いた音が水雫のように打たれたが、雷雨のように過ぎ去るクライマックスなど、曲全体が変遷する気象現象のように感じられた。
ヴァイオリン:野口千代光 (約20分)
モノオペラ《猟区》はフル編成の標準的なオケ。音楽自体もベルクとリヒャルト・シュトラウスを足したようなオーソドックスなもの。シェーンベルグ「室内交響曲第1番」のファゴットの断片や、ヘンデル風のレシタティーヴォが挿入されたり、かと思えば怒りや超自然現象の場面では現代的な激しい不協和音の咆哮になり、音楽史を縦横無尽に展開した。
ソプラノ:佐竹由美 (約40分)
ジョルト・ナジ指揮、藝大フィルハーモニア
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