かつて僕は作曲する時、書き出しに苦労し、それが決まれば筆は徐々に速くなり、後半にかかる頃は既に頭の中では最後まで完成していた。
ソナタ形式やロンド形式ならそれでも良いが、そうでない場合、勢いに任せたような後半になってしまうことが多く、最近は後半を熟考するようになった。
前半は閃きに冴える提示、後半は同じ素材による創意あふれるドラマチックな展開…殆どのクラシック作品の普遍的な形。僕にとって音楽はそうでなければならない。現代も。
先日、《ブラウン×2 運動》と「バスフルート、ヴィブラフォンと弦楽三重奏のための"Breeze in A(Aの微風)"」、この2作品の改訂を終えた。大きく改訂したのはどちらも後半。
加えて《ブラウン×2 運動》は、初演によって音楽の呼吸感を演奏家から学んだ点も反映させた。
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