第24回島村楽器音楽コンクール本選会が紀尾井ホールにて行われた。9日(日)はピアノ・作曲部門、10日(月・祝)は管・弦・声楽部門。
以下、私が述べた講評。
演奏とは、作品に隠された宝を探すようなもの。楽譜は宝の地図。だれが見ても分かるようには書いていない。
「あれも大事」「これも大事」と楽譜に書かれた何もかも大事だと思うのは、結果的には何も分かっていないのと同じで、宝を探しに行って「あれかな」「これかな」と迷ってばかりいるようなもの。
間違いを恐れず「ここだ」と信じて掘ることから始まる。掘ってみたら石ころや貝殻だったりもするでしょう。
そしてやがて、財宝を発掘することよりも、それらの方がずっと価値がある事に気づくでしょう。それが個性なのかも知れない。
本選会では、その様な宝の片りんを沢山聴くことが出来た。大変良かった。
《ピアノ・作曲部門》限定
有名な曲を弾いたり、散々流行ったスタイルで作曲して、新鮮な感動を生み出すのは難しい。それらは多くの場合、単に上辺だけの耳触りの良い音楽。
あなたにとって最も大切なことはそんなものだろうか。折角の才能がもったいない!
「これぞ自分の分身」という気持ちで演奏、作曲して欲しい。その結果、気持ちが高まりすぎて小さなほころびが生じても、私は咎めない。
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