45年ほど前、“ディスコ・ブーム”がありました。 飲んで・踊れる“ダンスホール”ですから、今で言う“クラブ”の様なものです。 大きなホールの正面にステージが・両サイドにテーブル席が・中央に踊り場が、昔流行った夜の社交場“ディスコ”の大まかな構造です。 踊りは、“ゴーゴー”・“ツイスト”・“タンゴ”・“チーク”など、スタイルに拘らないのが良かった。 音楽も自由で、ステージで演奏するミュージシャンが、“ロック”・“ジャズ”・“ブルース”と、客の好みに合わせて選曲していました。 グループサウンズ以降ですから、演奏&音響技術も相当高かったと思います。 その当時 私も若かったので、札幌の“ディスコ”は全て制覇しました。 そこで流れる音楽の大半は、ロックやジャズをアレンジした生演奏でした。 人気の楽曲は、『サンタナ』のコピーでした。(当時 著作権の規制は緩かった様です) メキシコ出身の「カルロス・サンタナ」が アメリカに進出し、中南米のリズムとアメリカのジャズやロックをアレンジた独創的な“ラテンミュージック”は 斬新でした。 「サンタナ」が、“ディスコ”の人気を盛り上げた事は、間違いありません!
そんな時、アメリカで活躍していた『サンタナ』が、日本各地で公演すると 驚きの情報が入って来ました。 事実でした。 張り出されたポスターで、札幌のコンサートホールで公演がある事を知り、早速“前売り券”を購入しました。 場所は、北海道厚生年金会館(現・ニトリ会館)でした。 当日、幕が開いた瞬間 “度肝”を抜かれました。 「サンタナ」の楽曲は、“ディスコ”や車載のカセットテープで聴き、全曲 知っていました。 しかし、コンサートホールで聴いた「カルロス・サンタナ」のギターは 圧巻でした。 確か、幕開けは「キャラバン・サライ」だったと 記憶しています。 静かにギターの弦を弾きながら、徐々に音量と音域を広げて盛り上げるのです。 偶々、二階席の中央に座っていた私は、弦から発せられる音が飛んで来る様に感じました。 「グループ・サンタナ」のメンバーが奏でるドラムやパーカッションは、足元から さざ波だったり 大波だったり、まるで音の海に浸かっている様に錯覚しました。 「君に捧げるサンバ」・「ムーン・フラワー」・「ホールド・オン」・・・ 中でも、「ブラック・マジック・ウーマン」は 最高でした。 エンディングは、「哀愁のヨーロッパ 」だったと思います。(曲順は、正確に覚えていません) その日は約 2時間、『サンタナ』の公演に 心底 酔いしれました!
「あれから 40年」(綾小路 きみまろ風)、『サンタナ』の“CD”を買って聴きましたが、生演奏を体験した耳には 何故か魅力も迫力も感じる事が出来ませんでした。 “ディスコ・ブーム”が去った為か、「カルロス・サンタナ」の腕が落ちたのか、正直なところ分かりません。 勝手な憶測ですが、デビュー時の栄光を引きずって、演奏も作曲も頭打ちになったのでしょうか? 残念ながら「サンタナ」に、昔の様な魅力は感じませんでした。 失言でした。 本当は、私の聴力と感性が衰えたからです!