エ モ イ
先週金曜日にNHKBS1から放映された『クラシックTV』は。音楽における「エモイ」がテーマだった。
番組のアシスタント鈴木愛理さんをMCにして、ホストの清塚信也さん、ゲストの音楽家富貴晴美さん、同じく江崎文武さんの三人が、「エモイ」とはどういうことかを話し合った。
わたしはこの言葉を聞いたことがあるような気がするが、何のことかわからなかった。語感からするとダサイと同じように感じるのだが、無知から来る誤解であった。
番組の冒頭に、「エモイとは感情が揺さぶられてなんとも言い表せられない気持ちになること」が辞書にある定義として紹介され、辞書なのに「何も言い表せない」とは何事かというクレームがつけられた。
番組が終わった後、ネット上で「エモイ」について検索したが、ChatGPTの回答が簡にして要を得ていたので、紹介する。なお、この言葉は2010年代の中ごろから使い始められたらしい。
「エモい」という言葉は、日本のインターネットスラングで、「感情的な」「感動的な」「心を揺さぶる」という意味で使われます。「エモい」は、英語の「emotional」(感情的な)を縮めた「エモ」から派生しています。
この言葉は、音楽や映画、アートなどの作品が強く感情に訴えかけるときや、特定の状況や光景が感動的で心に響くと感じたときに使われます。例えば、青春ドラマやノスタルジックな風景を見たときに「エモい」と表現することが多いです。
もともとは音楽のジャンル「エモ」(Emo)に由来しており、感情表現の豊かな音楽を指して使われていましたが、徐々にその意味が広がり、日常的な感情を揺さぶるもの全般に使われるようになりました。
(註:エモはメロディアスで感情的な音楽性、そしてしばしば心情を吐露するような歌詞によって特徴付けられるロック・ミュージックの1スタイルである。―Wikipedia―)
番組では「エモイ」曲について議論し、「エモイ」に込められた感情を言葉として表現しようとしていたが、個人によって受け止め方が異なり、結局冒頭の辞書における定義を超えることはできなかった。
番組中で引用された曲で知っていたのは、『もう恋なんてしたくない』、『木星』の2曲だけだったが、最後に出演者3人のピアノ連弾による『カノン』を聴いて、「エモイ」がなんとなくわかったような気がした。
感情や感慨を表現する言葉はたくさんあるが、そのうちのいくつかは歴史的に見れば新しく登場し、それが共通了解事項として定着してきたのだろう。
「エモイ」も包括的な感情を表現する便利なとして定着し、辞書に登録されていくのだろう。
わたしは自身は「エモイ」を使うのにはいささか面映ゆい気がする。
光害 再度
今日の朝日新聞「The Globe」に光害についての記事が載っていた。
光害については、2013年4月19日のこのブログに書いたが、今日の記事で新しく知ったことを紹介する。
- 太陽光を反射する人工衛星からの光が、天体望遠鏡による星の観察を困難にしている。星を撮影するためにシャッターを一定時間開放すると、人工衛星の軌跡が縞模様になって撮影される。
- このまま人工衛星が増加すると、2030年には夜空の明るさが250%増加し、約半数の星が視界から消える可能性がある。2013年に、ロシアの上空で小惑星が爆発し、衝撃波で1500人がけがをしたが、こうした小惑星の観察が困難になる。現在無秩序に打ち上げられている人工衛星の世界的な管理が必要である。
- 光害に取り組んでいるNPO国際ダークスカイ協会は、世界的に星空保護区の設置と認定を進めている。岡山県井原市美星町では、市に合併される以前からあった光害防止条例を維持し、夜間照明の制限や、照明漏れの少ない器具の設置などを進め、2021年に保護区に認定された。世界では200カ所以上が認定され、日本では美星以外に3カ所が認定され、1カ所が認定に向け準備中である。
われわれは明るさを豊かさの象徴として利用してきた。しかし、人工的な光が地球上の生態系や人間の健康に干渉するだけでなく、宇宙空間まで影響を及ぼしていることに思いを致すべきだろう。
STOP WAR!
光害という言葉は、まだ日本には定着していないようです。人工衛星だけでなく地上の光の過剰さも問題です。空から見ると、日本列島は世界で一番明るいそうです。