わたしは毎日9種類の薬を飲んでいる。点眼薬までいれると11種類を,5つの診療科から処方されている。循環器が4種類,持病の左心室の心筋肥大に不整脈が加わってきた。やはり持病の潰瘍性大腸炎はここ数年緩解状態にあるが,根治困難ないわゆる難病であるので,薬の服用はやめられない。そのほか,頻尿治療,血糖値抑制,ビタミン剤数種,緑内障予防。おかげで体調はすこぶる良い。
先日,Zoomでの集まりでこの話をしたら,何人かから呆れられたり,軽蔑されたりした。製薬会社を儲けさせるだけではないか,薬をやめたら肝臓の具合が良くなった知人がいた,等々。もらった薬を無駄にするならともかく,わたしは医師の指示通りに薬はすべて服用し,そのことで症状が改善されているので,製薬会社にその対価を払っている。肝臓への負担は心配だが,血液検査における肝機能の値はすこぶる良い。思い込みや自分の信念に適った一つの事例を普遍化するのは無理だろう。当分は医師にとっての模範生を続けることにする。
しかし,残っている薬が減っていくと,自分に残された寿命も同時に減っていくのだと感じて,奇妙な気分になるときがある。聞くか読むかしたことだが,ウオーキングをすると,その時間だけ寿命が長くなるという。1日1時間ウオーキングをすると1年で365時間,つまり15日間寿命が延びるということだ。しかし,その延びた分をひたすら歩いていたことにならないか。