「もうらしい」
今日の朝日新聞23面に,第9回「はがきの名文コンクール」の入選作が紹介されていた。
その中の緑川正子さん(長野県)の作品がわたしの目を引いた。
ご夫婦二人でお暮らしの正子さんは,病気で曲がった指を夫君が就寝前に「もうらしいなあ」といって指圧してくれるのが,唯一の楽しみだとお書きになっている。
選者の村山由佳さんは,長野県にご夫婦で暮らしていて,この信州の方言,「もうらしい」に心惹かれたようだ,
松本在住の姪に,「もうらしい」という方言はまだ使われているか問い合わせたところ,より若い世代はともかく,自身は使っているという。
その時の会話で一致したのは,「もうらしい」に相当する標準語の「かわいそう」では表現できないニュアンスを,この方言が持っているということである。
村山さんも,「もうらしい」には情愛や切なさが込められているという。わたしには,「かわいそう」は「もうらしい」より突き放した言い方のように映る。「もうらしい」には,相手に自身を重ね合わせた思いやりが込められている。憐れむだけでなく,同時に励ましてもいる。
こうした標準語では表しきれない内容を持った方言は各地にあるだろう。そして,それらは日常会話から消えていく運命にある。
仕方がないかもしれないが,さみしい気がする。
ショック
G1レース6連勝のイクイノックスの引退が,まさに電撃的に発表された。年末の有馬記念に期待していたので,ショックである。騎手ルメールと一体になった,切れ味鋭い追い込みはもう見られない。
疲れがたまっていて,有馬記念の見送りを決め,好条件の種牡馬としてのオファーがあったことが引退の理由らしい。余生をのんびりと過ごして,キタサンブラックの孫を沢山作ってください。
秋 色
阿見町ふれあい公園にて撮影
STOP WAR!