羽花山人日記

徒然なるままに

オッペルと象

2022-08-30 20:55:08 | 日記

オッペルと象

介護に追い回され,ゆっくり本を読む時間が取れないので,読み慣れた宮沢賢治を拾い読みしている。その中の一編『オッペルと象』について書く。

文庫本で10ページの短編である。ある牛飼いが語る噂話として書かれている。

オッペルは足踏みの稲の脱穀機を6台持っていて,近在の百姓を雇って朝から晩まで,「ノンノンノンノン」と脱穀させている。自分は琥珀のパイプを吹かして,手を背中に組んで,ぶらぶらしている。ある日そこへ白い象がやってくる。牙は象牙,皮は象皮で,それだけでもひと財産だ。オッペルは,おっかなびっくりだが,象に自分のところに滞在しないかと誘い,象は承諾する。

オッペルは与える藁を減らしながら,税金がかかるからと言って,象に次々と仕事を科していく。時計と靴をつけてあげるといって,100キロの鎖と400キロの分銅を象につけてしまう。

最初は稼ぐのを楽しんでいた象だが,とうとう5週間目に「苦しいです。サンタマリア」と十日の月に訴える。

月は憐れんで,筆と紙を持たせた童子を遣わし,森にいる象の仲間に「助けてくれ」と手紙を書かせる。

手紙を読んだ象たちは,「グララアガア,グララアガア」と怒りの声をあげながら,オッペルの脱穀小屋に押し寄せる。

百姓たちは白旗を掲げて逃散する。一人踏みとどまったオッペルはピストルを撃って抵抗するが,ものともしない象たちに踏みつぶされてしまう。

こうして白い象は助けられる。

賢治の作品には,動物を対照とした人間のあさましさを描いた作品がいくつかあるが,そうしたあさましさに天誅まで加える作品はめずらしい。

牛飼いの言葉として,擬声語を駆使しながらユーモラスな筆致で描いているとはいえ,象の死を誘導しながら,搾取できるだけ搾取しようとするような悪辣な人間は,賢治には許せなかっただろう。

 

秋の気配

アルゼンチンのパンパ草原に自生するパンパスグラス。8月30日阿見町にて撮影。

 

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天才(承前の承前)

2022-08-28 20:40:53 | 日記

天才(承前の承前)

わたしが8月19日に書いた,『天才(承前)』を読んだ友人の一人が,「直観は論理である」という,ルカーチの言葉を教えてくれた。目から鱗が落ちるような気がした。

昨夜の深夜にEテレで放送された,ヒューマニエンス『天才 ひらめきのミステリー』(2021年6月放映の再放送)は,脳科学の立場から直観・ひらめきの問題を取り上げていたので,ビデオで見た。

将棋の羽生善治永世名人は「直観の7割は正しい」と言っているそうだ。番組では,2組の数列のどちらの合計が大きいかを,計算する時間のない14秒間で答えさせる実験を行ったところ,90%が正解だった。ちなみに,カミさんは正解だったが,わたしは間違えた。

理化学研究所の田中啓治さんは,詰将棋の問題を1秒間で解かせる実験を,プロ棋士とアマチュアに行ったところ,プロは70~80%が正解だったのに対し,アマチュアは40~50%であった。

両者の脳の働きを調べたところ,予想していた大脳皮質ではなく,大脳基底核がプロでは活動していることが分かった。

ゲストとして同席していたプロ棋士九段の田中寅彦さんは,自分でもどうしてそうなるのか分からないが,アマチュアの人は算数の問題を解くように考えるが,自分たちは絵画や音楽を鑑賞するような感じで詰将棋を見ていて,不正解な解答を見ると気持ちが悪くなるという。小さい時から,短時間で詰め将棋を解くように訓練されているので,そうなるのではという。

田中啓治さんは,大脳基底部の活動が訓練によって強化されることを実験で確かめ,大脳基底部に蓄えられた経験が,無意識の内に大脳皮質に伝えられるひらめきを生んでいると考えている。

番組では,そのほかに,アインシュタインの脳のグリア細胞は一般人の1.7倍であり,グリア細胞が脳の神経細胞の情報伝達を強化している役割があること,IQは天才的なひらめきとは関係ないことなど,興味深い話題が紹介されていた。

もう大昔の話だが,グルタミン酸が脳神経の情報伝達に関係しているから,子供の頭を良くしようと,食べ物にたっぷり味の素をかけて食べさせることが流行した。効果は表れずすぐ下火になったが,脳の機能の一部を変えて何とかしようというのは無駄である。それぞれの機能の調和で人格が形成されるのであって,一部だけ変えることは障害をもたらすことになり兼ねない。

ひらめきは誰にでもある。しかし,例えば将棋におけるひらめきが訓練によって向上するかどうかは,その人の資質によるだろう。天才は天才,凡人は凡人である。凡人であることは,別に悪いことではない。

 

認知症保険

今日の朝日歌壇から:

不安さえ商品にして売り出せり「認知症保険」「孤独死保険」観音寺市 篠原俊則様

保険は押しなべて不安を商品にしているが,認知症保険と孤独死保険というのがあるのは知らなかった。しかしネットで調べたられっきとした保険として存在していた。

孤独死保険は,大家さんがかける保険で,借り受け人が孤独死した場合の後始末の費用を保険から出そうというものである。

認知症保険は,月々500円から1000円程度の保険金を払って,認知症を発症した時に一時金あるいは年金として受け取り,介護にかかる費用を保障しようというものである。わたしの場合の見積もりを見ようと思ったが,この年齢では受け付けてもらえなかった。

認知症保険にせよ生命保険にせよ,この歳では「不安」の対象ではなくなったということか。

 

幾何模様

秋ソバの芽生えが描く幾何模様(阿見町にて8月27日撮影)

 

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MARLEY & ME

2022-08-26 21:39:35 | 日記

MARLEY & ME 

今日はカミさんがデイサービスで施設に出かけたので,少しゆったりして,ビデオに録っておいた映画を見た。

2008年にリリースされたハリウッド映画で,邦題は『マーリー 世界一おバカなイヌが教えてくれたこと』,原題は『MARLEY & ME』。

映画はジャーナリストの夫妻が飼っている,ラプラドール・レトリバーと家族との交流を描いたもの。このマーリーと名づけられた犬は天衣無縫で,海水浴場で駆け回った果てに海の中にうんちをしてしまうような困ったちゃんだが,どこか愛すべきところがある。

物語は,夫妻の結婚,ペットショップでのマーリートの出会いからその死まで,家族の成長に伴う逸話を絡めたとりとめもない話だが,説教調がなくホンワカとした気持ちにさせられる。マーリーと家族との別れのシーンは感動的である。

マーリーの安楽死のシーン(テレビ画面を撮影)

最後に主人公のジョンがいう独白がちょっといいので,日本語字幕から引用する。

”犬は高級車も豪邸もブランド服も求めない。枝が一本あれば十分だ。

あなたが金持ちでも貧乏でも,利口でも鈍くても気にしない。

愛すれば必ず応えてくれる。

人間はこれほどまでにあなたを純粋に特別な気持ちにさせるだろうか。”

60年以上前に死に別れた愛犬を思い出しながら観ていた。

 

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パラグアイの少年野球

2022-08-24 15:26:20 | 日記

パラグアイの少年野球

一昨日7チャンネルで放映された,『世界!ニッポン行きたい人応援団』で,元ヤクルトスワローズ投手,岡林洋一さんが取り上げられていた。岡林さんは,1968年パラグアイの日本人移住地のイグアス居住区で生まれ,14歳で日本にわたり,高知商業,専修大学を経て, 1990年のドラフト会議で,ヤクルトスワローズから1位の指名を受けて,プロ野球入りした。

当時,パラグアイ出身のプロ野球選手として,マスコミをにぎわした。また,1992年の日本シリーズでは,延長戦を含む3試合完投というレジェンドを残している。

番組は,2012年の再放送であるが,現時点での映像も補足されている。岡林さんが35年ぶりに生まれ故郷を訪れて,かつての少年野球の仲間と再会し,交流する模様が感動的に描かれている。

パラグアイには、現在約1万人の日系人が暮らしているという。その大部分は恐らく二世ないし三世で、四世も少なからずいるはずである。パラグアイへの日本からの移民は1936年と1960年前後の2波あり、現在残っている家族は、当初の四分の一に満たないのではないだろうか。

移住された方々は,多くの辛酸をなめ,移住地で,あるいは都会に出てそれぞれに地歩を築かれている。わたしは,2回にわたるパラグアイ滞在に際して,日系の方々に大変なお世話になった。お付き合いいただいた方々に共通しているのは,自分たちのアイデンティティーの拠り所を日本に求めていることである。一世の方々の家には,ほぼもれなく昭和天皇と皇后の写真が飾られていた。そして,その気持ちは世代を超えて伝えられている。その一つの表れが,少年野球であろう。

パラグアイでポピュラーなのはサッカーとバレーボールであり,野球をやるのは日本人に限られている。居住区あるいは都市ごとに少年野球チームがあり,「全国」大会で覇を競い合っている。岡林さんもイグアス地区のチームの一員として野球を覚え,エースとして全国大会で3回の優勝を飾っている。

テレビでは,岡林さんが少年たちにコーチをする模様が映されたが,三世あるいは四世に属する子供たちが,達者な日本語を話していた。彼らの夢みるのは,第二,第三の岡林として,日本で活躍することであろう。現にこの時コーチを受けた少年の一人が,今高知の独立リーグで,プロを目指して頑張っている。

岡林さんは「パラグアイ日本人」の誇りであり,少年野球全国大会の優勝杯には岡林洋一の名が冠せられている。

パラグアイのピラポ移住地にある開拓者の鎮魂碑

2001年に行われた入植者の合同慰霊祭には,近隣のパラグアイ人生徒も参加していた。

合同慰霊祭

同上運動会。運動会は日系人の行事として大切にされている。

(写真はいずれも2001年8月,パラグアイピラポ地区で撮影)

 

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リンゴ追分

2022-08-21 20:51:31 | 日記

リンゴ追分

テレビの画面を撮影

8月20日に放映された『おんがく交差点』のゲストは,津軽笛奏者の佐藤ぶん太さんだった。

この番組ではじめて知ったことだが,津軽笛とは青森県の祭事に吹かれる笛で,弘前のねぶた,青森のねぶたというように,地域性があるとのこと,郷愁を誘う澄んだ音色は祭りの夜空にひびく情景を連想させる。

ぶん太さんのお話で興味深いものがいくつかあったが,師匠とのかかわりの逸話が印象的だった。

ぶん太さんは津軽笛の最高位を決めるコンクールで6回優勝しているが,師匠に「お前の笛は嫌いだ」と叱られたという。衝撃を受けたぶん太さんが気づいたことは,自分が天狗になっていていやらしい演奏をしているということだった。

笛を止めようかと悩んだ末に得た結論は,自分の笛を通して岩木山や神々が奏でているという気持ちで吹くということだった。そして,この前後を通して変わったことは,「ありがとう」という回数が増えたことだったという。

番組のホステス大谷康子さんとのコラボ,『お山参詣登山囃子』では,ぶん太さんが大谷さんのヴァイオリンを誘い込み,大谷さんがそれに巧みに乗っていくという素晴らしい演奏だったが,これとは別にわたしが感激したのは,大谷さんの『リンゴ追分』だった。

わたしがもっとも敬愛する演歌歌手の一人,美空ひばりが歌うこの曲は,元々好きだったのだが,コカリナのアンサンブルにつけた,ウッドブロックとスレイベルによるわたしのパーカッションが割と好評で,一層思い入れのある曲になっている。

大谷さんはひばりの歌唱をよほど聴きこんだのだろう。その歌声を見事にヴァイオリンの弦に乗せて,鳥肌が立つ演奏だった。

このビデオは永久保存にしよう。

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天才(承前)

2022-08-19 20:44:13 | 日記

天 才 (承 前)

東大OBで,九段まで上り詰めた石倉昇というプロ棋士がいる。

彼は,「自分は幼年時代に囲碁の修業をしなかったので,理屈で打つ。そこに自分の限界がある。」と述懐している。

趙治勲という怪物のような棋士がいる。

彼が子供時代にあまりにも早く石を置くので,先輩の棋士が,なぜそんなに早く打つのかと聞いたところ,石を握ると手が自然とそこに行ってしまうと答えたという。

わたしは,読み切らずに山勘で打つことが多いが,それはほとんど敗戦に通じている。愚才の愚才たるゆえんである。

 

この雲,鰐の形に見えないか。(8月18日,自宅より撮影)

 

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天才

2022-08-18 20:35:27 | 日記

天         才

9歳のプロ棋士が現れた。藤田怜央君。棋士として成功するには,小学校に行く前から碁の修業を始める必要があると言われ,現在の最高峰にいる棋士の面々もその通りだったが,小学三年生でプロとは驚いた。世界一を目指すという,面構えもなかなかいい。

もしわたしが彼と碁を打つことになったら,おチビさん相手に,井目に風鈴をつけても勝てないだろう。

天才という他ない。こうした記録はいずれ破られるだろうが,何歳が限界だろか。

 

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昔話

2022-08-16 19:58:16 | 日記

昔     話

(昨日投稿するはずだった記事です。)

今日は終戦から77回目の8月15日である。

今年生まれた子供にとっては,太平洋戦争は77年以上前の出来事になる。わたしは1936年の生まれで,日露戦争は31年前に終結していた。

わたしにとって,日露戦争は昔の話だった。今年生まれの子どもにとっては,太平洋戦争は大昔の話になるだろう。

何年か前,学童疎開のことが,大学の入試問題に取り上げられたという話を聞いて,自分が経験したことが日本史教科の題材になっていることに,ある種の感慨を覚えた。わたしは歴史的な時代を生きてきたのだ。

わたしが昔話として聞いた日露戦争は,こころ躍る内容だった。そんな話の中で,わたしは軍国少年として育っていった。

今の子供たちは,わくわくするような気持ちで戦争の昔話を聞くことはないだろう。いつまでもそうあって欲しいと思う。

 

値 上 げ

スーパーで買った豆腐を見て驚いた。,値段は据え置きだったが,容器と豆腐の間に,前には見られなかったすき間ができていた。

 

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盂蘭盆

2022-08-13 20:17:16 | 日記

盂  蘭  盆

今日はお盆の入りである。阿見町は,わたしの故郷と同じく,8月の旧盆である。

子どものころの行事は今でも鮮明に覚えている。

13日は夕食の前にお墓に行き,墓碑の前で白樺の樹皮を燃やし,ご先祖様の御霊をお迎えする。門口でも迎え火を焚く。前年のお盆以降に亡くなった人がいる家では,新米の御霊が迷わないようにと,屋根の上に灯を灯す。

お墓では,年長者にうながされて墓碑に背を向け,御霊をおんぶして連れて帰る。誰が誰をおんぶするか,時には小さないさかいがある。わたしは祖父母か,夭折して相まみえたことのない叔父が贔屓だった。うっかりおんぶの姿勢を崩すと,「落としたよー」冷やかされる。

仏壇にご先祖様を下ろし,線香をあげてから,家族そろって夕飯のご馳走を食べる。

16日はご先祖様をあの世にお送りする日である。早めの夕飯を食べ,おんぶしてきたご先祖様を仏壇からおんぶし,門口と墓碑の前で送り火を焚いてお別れする。

墓から帰ると,舟流しが始まる。部落中の人たちが,それぞれ意匠を凝らした麦わら製の舟を持ち寄って,用水の川に流す。舟には白樺の樹皮で作ったたいまつをを乗せ,それに火をつけて流すのがルールだった。この舟を作るのはわたしの仕事だった。

舟流しはお盆のハイライトだったが,いつの頃からか途絶えてしまった。今は思い出の中の心象風景である。

お盆の仏壇に,胡瓜でできた馬と,茄子で作った牛を飾った。この写真の牛にに玉蜀黍の房の毛を張り付けて尻尾にした。

ヒガンバナ

ヒガンバナはアレロパシーという他種の植物の成長を阻害する物質を出し,自分たちだけが成長して大きな群落をつくる。このヒガンバナは彼岸に1ヶ月先駆けて庭の隅にひっそりと咲いていた。

 

嵐の先駆け

8月13日午前11時51分自宅から撮影

 

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国葬

2022-08-12 16:05:17 | 日記

国      葬

安倍晋三元首相の国葬に関して,さまざまな意見が交わされている。わたし自身は,この国葬がどうも咀嚼できない。

安倍氏の死去は心から痛ましく思い,銃撃事件はあってはならないと断じたことは,すでにブログに記した。しかし,その「死」の扱い方については,立場によって様々であろう。

国葬は閣議決定によって行われる。今回の場合は,岸田首相の発議によって内閣が決定し,国葬の名のもとに,国費が使われ,国民には喪に服すことが要望される。吉田茂元首相の場合がそうであった。

わたしには,今回の国葬が,国家権力によって安倍氏の政治家としての業績をたたえ,それを国民に共有化させるという意図があるように思えてならない。

仮にその意図があったとしても,それは貫徹しないのではないか。7月16日の「朝日川柳」では,選ばれた7句が全て安倍氏の国葬批判で,さすがにこれはやり過ぎとの声があったらしいが,時事通信が8月に行った世論調査では,反対が47.3%で,賛成の30.5%を大きく上回っていた。

安倍元首相銃撃事件をめぐって,次のようなことがあった。

3年前の参議院選挙に際して,当時の安倍首相が札幌で街頭演説を行った時,野次を飛ばした人たちが警察によって排除された。その中の男女二人が,この警察の行為を表現の自由に対する侵害として,賠償請求を要求する民事訴訟を起こした。今年の3月25日に,札幌地裁は原告の主張を認めて,北海道に賠償を命じる判決を下した。

このことをめぐって,このような判決があったから,警察の警備がおろそかになって,安部元首相が殺されたのだという非難が原告の二人に寄せられる「炎上」があったという。この論理は,「風が吹けば桶屋がもうかる」の類であるが,安部氏の死をモチーフにした魔女狩りと言ってもいいだろう。

国葬にこめられた意図が何であれ,それに関して自由に意見を表明できる社会であることが重要である。

 

エヴィータの墓

ブエノスアイレスにて,2002年撮影

エヴィータの愛称で呼ばれ,その生涯がブロードウェイミュージカルになった,アルゼンチンの元大統領フアン・ペロンの妻で,33歳子宮がんで亡くなったエヴァ・ペロンの墓である。彼女に関しては毀誉褒貶様々であるが,恩恵を受けた庶民の女性たちには依然として人気があり,墓前に供花が絶えない。

 

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