明日に架ける橋
2006年に放映された『ミュージックカフェ 明日に架ける橋 ~賛美歌になった愛の歌~』の再放送(NHKBS3)を見た。
わたしは,コカリナサークル「ラブピース」のリーダー真木ひろしさんの紹介で,この歌をはじめて知った。このサークルに入ったおかげで,多くの名曲を知ることができて,老年が豊かになった。
番組では,歌の誕生から南アフリカに伝わって歌われるようになるまでの道筋が描かれている。
サイモンとガーファンクルによる『明日に架ける橋』は,1970年にリリースされた。寄り添い明日への希望を託すことを内容とするこの歌は,ベトナム戦争,公民権運動など,当時の混沌としたアメリカ社会の中で人々の心をとらえ,たちまち全米ヒットチャートNo.1にランクされた。
2001年9月11日の同時多発テロ直後,なぜか『明日に架ける橋』は放送自粛の対象とされるが,サイモンは歌い続け,かえって人々に勇気を与えることになる。
この歌は,南アフリカの歌手によってカバーされ,同国に広まり,教会音楽としてうたわれるようになり,学校でも子供たちによって歌い継がれている。
作詞・作曲者のポール・サイモンは,教会で歌われていた黒人のゴスペルからヒントを得たという。差別に苦しんでいるアメリカの黒人の思いが,サイモンとガーファンクルを通して,アパルトヘイトに苦しめられた南アの黒人たちの共感を呼び,世代を超えて歌われていることに,わたしは深い感動を覚えた。
テレビを見た後,拙いながら心を籠めて,わたしは『明日に架ける橋』をコカリナで吹いた。
BRIDGE OVER TROUBLED WATER
Paul Simon
When you’re weary feeling small
When tears are in your eyes
I will dry them all, I’m on your side
When times get rough and friends just can’t be found
Like a bridge over troubled water, I will lay me down
Like a bridge over troubled water, I will lay me down
(写真はいずれもテレビ画面を撮影)