デジカメ日記

日々、目に触れたものをデジカメで捉えて行きます。

バルビゾンの道

2007年02月12日 22時06分17秒 | その他地域


昨年秋、中学・高校時代の数学の先生に45年
振りでお会いした事は前にも書きましたが
その先生がこの1月に、随筆集「バルビゾンの道」
を出版されました

サイン入りのご本を贈って頂き、ありがたく
読ませていただきました。
身の回りの小さな出来事や自然の変化に目をやり、
優しく暖かい言葉で書かれている心温まる随筆
ばかりです。

その中のひとつ「秋の気配」の中の一節はこうです。

ある日、鳥栖市近郊の背振山を散策していた時
小さな石灯に芭蕉の句が刻んであるのをみつけた。

「山路来て なにやらゆかし スミレ草」

深山幽谷の中で人知れず咲く花は、誰からも認められず
ほめられもせず、愛でられもしない。
それでもなお、与えられた自分の「いのち」を精いっぱい
生き、咲いて散っていくのである。
ここまで想いをはせた時、次の標語が思い出されてきた。

桃李不言 下自成蹊
(桃李もの言わず、下おのずから蹊(みち)をなす 

桃や李は黙っていても、綺麗に咲いている。
その花を見物にたくさんの人がやってきて、いつ
の間にかその木の下には、人の足跡が出来てし
まう、と言うのである。

これは「得は孤ならず 必ず隣(りん)あり」
という古諺や、さきほどの芭蕉の句ととも何だか
相通ずるように思われてくるし、社交べた、
口下手の私にとっては、生きる為の励みにも
なっている。

注:鳥栖市近郊の背振山とは、私が中学高校時代を
過ごした故郷です。

何十年経っても故郷で見た小さなスミレの花に
思いを馳せる先生の心情と、今カメラを通して
植物や自然の風景を記録している私の思いに
通じるところが嬉しいです。

「バルビゾンの道」のタイトルの由来はこうです。

ミレーの「晩鐘」を生み出したフランスの
美しい村バルビゾン地方。
その時代フランスへ留学した福岡県八女市
出身の坂本繁二郎画伯が帰郷して、自分の
故郷を改めて見た時、
「おお、ここは東洋のバルビゾンである!!」
と思わず絶賛されたと言う、その八女市は
現在の先生のお住まいです。

西日本新聞筑後版紹介記事


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(表紙写真かえました。)

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