ながれやま栞 お話グループ中央 

子どもが好き、絵本が好き、おはなしが好き。そんな仲間たちの活動の様子を、折にふれてお知らせします。

小さな胸の 大きな心

2010-07-15 | その他
中央お話部会には、様々なメンバーがいます

活動歴ひとつとってみても、長年続けていらっしゃるエース級の大ベテラン、入会して数年の油が乗り切った精鋭、最近入ってお話会の楽しさに目覚めたフレッシュマン、と色々。

入会したての初心者が先輩にやさしくアドバイスしてもらえたり、逆に、フレッシュマンの瑞々しい感性に先輩が感銘を受けたり……経験に差があるからこその利点って、たくさんあると思います。

そうは言っても、子どもや絵本に対する理解が海よりも深く、語りや本読みのスキルが山よりも高い大ベテランのみなさまは、わたしのような未熟者には、まばゆく見えてしまうのですが。

(そのわりには敬意が足りないという声が、ちらほら…………すみません

先日、そんなベテランメンバーのひとりが、素敵な体験をしました。

ベテランさんは、ある日、中央図書館の児童書コーナーで、お話会の常連くんを見かけたそうです。
常連くんは、もう夏だというのに、なぜか「となかいはなぜサンタのそりをひく?」という絵本を手にしていたとか。
俄然、興味がわいたベテランさんは、声をかけてみることに。
さすがに「今の季節に、なんでそんな本を読んでるの?」とはきけないので「どうしてサンタさんのソリを引く役目は、トナカイに決まっているのかしら?」と訊ねると、常連くんは絵本を手に取ったばかりらしく、まだわからないと答えました。
ベテランさんが「そうなの。じゃあ、わかったら、おばさんに教えてね」と言うと、逆に「おばさん、今度いつ来るの?」と、きかれたとか。
「ええっと、次のお当番は6月○日よ」と答えて、常連くんと別れたベテランさんは、そんなやりとりがあったことを、そのまますっかり忘れていました

すると……なんと6月○日のお話し会に常連くんが現れ、ベテランさんにお手紙をくれたのです
先だってのお願いをちゃんと覚えていて、トナカイがサンタのそりを引く理由を、大好きなベテランさんに教えてあげなくちゃと使命感を覚えたのかもしれません。
でも、物事を口で順序だてて、しかも短く簡単に説明するのって、大人でもけっこう難しいですよね。
常連くん、小さな頭をひねって、うまく伝えられる方法を考え抜いたのでしょう。絵本のあらすじを要領よくまとめ、写真でもわかるように、かわいい便箋2枚にわたって、書いてきてくれたのです

ベテランさんは、常連くんのやさしさに、ただただ感激
お願いした方が忘れていた約束を、律儀に覚えていてくれた上に、苦心してお手紙を書き、わざわざベテランさんのお当番の日に持って来てくれたのですから。

このように、わたしたち大人のささいなひと言も、子どもは真剣に受けとめるのですね。それが、お話会で顔なじみの大好きなおばさんなら、なおのことでしょう。

今回のように、心の交流を深めるきっかけになれば素晴らしいのですが、もしかしたら、大人の不用意な発言が、小さな胸を傷つけたり、小さな頭を混乱させたりということだって、あるかもしれません。

経験を積んだメンバーは、みなさん常に子どもの目線に立った言動を心がけているから心配ありませんが、わたしのような未熟者は、危ない危ない……

ベテランさんと常連さんの心あたたまるエピソードにジーンとしながらも、未熟さを言い訳に子どもたちを傷つけることのないよう、いつも心していなければと、強く思った一日でした
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