『宗方姉妹』 1950年 112分
監督 小津安二郎
製作 児井英生
原作 大佛次郎
脚本 野田高梧
撮影 小原譲治
美術 下河原友雄
編集 後藤敏男
音楽 斎藤一郎
助監督 内川清一郎
山村聡 三村亮助
笠智衆 宗方忠親
高峰秀子 満里子
斎藤達雄 教授内田譲
上原謙 田代宏
田中絹代 宗方節子
堀雄二 前島五郎七
高杉早苗 真下頼子
坪内美子 藤代美惠子
なぜ節子は宏の帰りを待つことなく、別の男と結婚してしまったのか?.
それは、一つには節子が宏の気持ちを知らなかったからであり、同時に節子自身が宏のことを死ぬほど好きなことを、自分自身で理解していなかったからでもある.
この反対が妹の満里子.
この点は、妹の満里子を通して非常に分りやすく描かれている.彼女は、一人芝居で姉と宏の関係を演じながら、宏の気持ちを引き出しただけでなく、彼女自身、自分の素直な気持ちをきちんと言い表しているのだから.
相手の気持ちを正しく理解するということは、自分の気持ちを正しく理解することである.もっと簡単に、自分の素直な気持ちを現すことが一番大切であり、その事が相手の素直な気持ちを引き出すことになり、互いに相手を理解することになる.
節子と宏は、互いの気持ちを互いに正しく理解できなかったので、一緒になることができなかった.と言うよりも、この場合は、節子が自分の宏に対する気持ちを正しく理解して、宏の帰りを待ち続ければ、二人は一緒になれた、単にそれだけの話で、この点に関しては節子の夫は何も悪くない.そして、帰ってきた宏に、お金の工面を頼んだことは、節子が夫の気持ちを理解しない行為の現れであったとも言える.夫が悪いと言うならば、満里子が言うように別れれば良かったのであり、節子の夫の気持ちを考えない行為が、次第に夫を追い込んでいったのだ.
節子は夫の自殺によって、初めて夫の気持ちを理解できたのだった.そして同時に、節子が初めて自分の気持ちを正しく理解したことでもあったのだった.
節子がそれまで夫の気持ちを正しく理解してこなかったことを、節子自身が知ると同時に、節子自身が自分の気持ちを正しく理解してこなかったことを、知ったことでもあったと言っても構わない.夫の気持ちを理解せず、夫を自殺に追い込んだのは節子であり、そうした自身を恥じて、彼女は宏との結婚を止めることにした.
書き加えれば、全てローアングルから撮ったひどい作品です.なぜ、もう少し素直なアングルで素直な描写ができなかったのか.
監督 小津安二郎
製作 児井英生
原作 大佛次郎
脚本 野田高梧
撮影 小原譲治
美術 下河原友雄
編集 後藤敏男
音楽 斎藤一郎
助監督 内川清一郎
山村聡 三村亮助
笠智衆 宗方忠親
高峰秀子 満里子
斎藤達雄 教授内田譲
上原謙 田代宏
田中絹代 宗方節子
堀雄二 前島五郎七
高杉早苗 真下頼子
坪内美子 藤代美惠子
なぜ節子は宏の帰りを待つことなく、別の男と結婚してしまったのか?.
それは、一つには節子が宏の気持ちを知らなかったからであり、同時に節子自身が宏のことを死ぬほど好きなことを、自分自身で理解していなかったからでもある.
この反対が妹の満里子.
この点は、妹の満里子を通して非常に分りやすく描かれている.彼女は、一人芝居で姉と宏の関係を演じながら、宏の気持ちを引き出しただけでなく、彼女自身、自分の素直な気持ちをきちんと言い表しているのだから.
相手の気持ちを正しく理解するということは、自分の気持ちを正しく理解することである.もっと簡単に、自分の素直な気持ちを現すことが一番大切であり、その事が相手の素直な気持ちを引き出すことになり、互いに相手を理解することになる.
節子と宏は、互いの気持ちを互いに正しく理解できなかったので、一緒になることができなかった.と言うよりも、この場合は、節子が自分の宏に対する気持ちを正しく理解して、宏の帰りを待ち続ければ、二人は一緒になれた、単にそれだけの話で、この点に関しては節子の夫は何も悪くない.そして、帰ってきた宏に、お金の工面を頼んだことは、節子が夫の気持ちを理解しない行為の現れであったとも言える.夫が悪いと言うならば、満里子が言うように別れれば良かったのであり、節子の夫の気持ちを考えない行為が、次第に夫を追い込んでいったのだ.
節子は夫の自殺によって、初めて夫の気持ちを理解できたのだった.そして同時に、節子が初めて自分の気持ちを正しく理解したことでもあったのだった.
節子がそれまで夫の気持ちを正しく理解してこなかったことを、節子自身が知ると同時に、節子自身が自分の気持ちを正しく理解してこなかったことを、知ったことでもあったと言っても構わない.夫の気持ちを理解せず、夫を自殺に追い込んだのは節子であり、そうした自身を恥じて、彼女は宏との結婚を止めることにした.
書き加えれば、全てローアングルから撮ったひどい作品です.なぜ、もう少し素直なアングルで素直な描写ができなかったのか.