ルート:広河原沢3ルンゼ右俣
日時 :8月5日
メンバー:O石、U山
広河原沢正面ルンゼから正面壁を登るつもりが、登り付いたところは何故か南稜P3でした。

<登りあがった所は・・・>

<登りあがった所は・・・>
船山十字路を5時過ぎに出発。
歩き始めから2時間ほどで右俣を分けて本谷に入る。
しばらく進むとゴルジュ状になり、最初に手ごわいとされる7m滝が現れる。登山大系によれば流水部を直登するらしいが、水流右にロープが垂れており(冬用?)これ幸いとロープを最大限に活用して登る。

<7m滝>
その先、沢が開けたところで一本入れる。
行く手を見ると沢は左折し先は見えないが、両岸の様子から見て大きな滝がありそうな気配。また目の前の左岸側から沢が一本流入している。
その様子と、概念図を照らし合わせて、姿の見えない滝は本谷の大滝、左岸から入る沢は3ルンゼと判断したが実際はその下の8mチョックストン滝の下あたりにいた模様。(下図参照)
先の様子をきちんと観察せず、ルート解説もきちんと読んでいなかったのがこの勘違いの原因。要反省。

<広河原沢 概念図>

<三段の滝 実際はもっと立って見える>
<広河原沢 概念図>
その勘違いのまま、大滝を巻くために3ルンゼ(のつもりのルンゼ)に入ったのだがどうも体系の解説とは雰囲気が違う。

<尾根を越えて大滝を巻いたつもり・・・>

<尾根を越えて大滝を巻いたつもり・・・>
それがちょっと引っかかったまま、右岸側の尾根を越え、懸垂で沢筋に降り立ちさらに一つ滝を超えると左側に大きな滝をもつ二俣となった。
こここそがまさしく本谷と3ルンゼの分岐する二俣で左側に見える大滝こそが、3ルンゼ側から巻くべき滝なのだが、すっかり勘違いしている我々はその大滝が一ルンゼの大滝か二ルンゼの大滝かのいずれかであり、そのどちらかによって今いる場所も変わってくるというかなり怪しげな状態に陥ってしまっていた。
こここそがまさしく本谷と3ルンゼの分岐する二俣で左側に見える大滝こそが、3ルンゼ側から巻くべき滝なのだが、すっかり勘違いしている我々はその大滝が一ルンゼの大滝か二ルンゼの大滝かのいずれかであり、そのどちらかによって今いる場所も変わってくるというかなり怪しげな状態に陥ってしまっていた。
”どちらにしても、右側に入れば方向は間違っていないよ”ということで右の沢に入り、しばらく行くと両岸が狭まった3段の滝になった。

ここは、大系によれば”三ルンゼ最悪の三段28mの大滝”とのことらしいが、この時点では我々はそれを知る由もない。
確かに滝の傾斜はきつかったが、何よりも悪かったのは岩がもろくて指をかける岩がことごとく剥げてくること。
一段目はもろい岩に注意しながら直登。二段目は下部がもろく巻こうと思ったが、周辺の草付きも傾斜がきつく悪そう。やむなくロープを出し右の草付きから滝の中段にトラバース。そこで気休めのピトンを打ち、水流中の細かいホールドを拾ってなんとかクリア。
三段目は落ち口がハングしていて取り付く気になれないが、幸い右の草付きが登れるので高巻く。
再び沢筋に戻るとまた二俣。ここで左側に入れば三ルンゼ左俣となって正面壁につなげられたようだ。だが、我々は少しでもはやく尾根に上がりたいとの思いで、正面壁の方向から少しずれるが右に入り、短い泥壁を越えて尾根筋に上がった。
そこから少し行くと、冬のものと思われるトレースがついていて、”正面ルンゼなんて冬に登る人いるのか?”といぶかしく思いつつそれを辿る。
そのトレースは、南稜上の岩峰に向けて上がっていくが、それはてっきりP4だろうとばかり思っていた。

<源頭部>
そのままトレースを辿るとはっきりとした南稜のトレースに合流。
が、右を見ても左を見ても、記憶の中のP4付近の風景とは似つかぬ風景が広がる。
トレースを右に少し行ったら、岩に立派な金属プレートがあって岩溝ルートとか書いてある・・・。
P4にこんなものってあったっけ?

<プレート>



<プレート>
キツネにつままれたまま、プレートが指し示す阿弥陀岳の方向に歩いて行ったら
トレースは岩場を下りはじめ、右手に金属ワイヤーが現れた・・・。それを見てO石さんが”これってP3じゃないですか?”と、そこがP3の巻き道であることに気が付いた。
正面ルンゼを上がってP3につくはずがないので、どこを間違えて上がってきたのかと概念図を見たら、どうやら正面ルンゼの隣の三ルンゼ右俣を上がってきたしまったようだ。
一体なぜこうなってしまったのか、このブログに書いてある顛末は南稜を下りながら二人で行き着いた結論であるが、本当のところは神のみぞ知る。



まあ、当初の予定ルートはトレースできなかったが、こうした泥臭い経験は、情報満載の整備が行き届いた人気ルートではけっして得ることができないものであって、必ずや山登りの地力につながるはず・・・と
同行のO石さんにはよい方向に捉えてもらえば幸いです。
以上
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