諏訪山岳会公式ブログ

諏訪地域の山好き、クライミング好きが集まって、ウラヤマからヒマラヤまで四季を通じてオールラウンドに活動しています。

谷川岳 一ノ倉沢烏帽子南稜~国境稜線

2016年10月16日 | バリエーション・登攀
日時:2016.10.14~15
メンバー:U山、O石、F見、I間   

最高の秋晴れの中、一ノ倉沢烏帽子南稜~国境稜線に行って来ました。


13日 20:00茅野発~22:30水上駅(O石さんピックアップ)~23:30土合駅着
14日
 6:00土合駅発~6:30ロープウェイ駅~7:30一ノ倉沢出合~8:45テールリッジ~10:15南稜テラス~14:15終了点~一ノ倉岳17:00~茂倉岳非難小屋17:30
15日 
7:30非難小屋発~国境稜線~10:00トマの耳~西黒尾根~13:00ロープウェイ駅

装備:ダブルロープ(50mx9mm)、カムx1セット、ハンマーx1、ハーケンx数枚、ランニングx15


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13日
 
混雑を避けて、金・土曜の日程で行って来ました。
前日、夜8時茅野集合。
佐久南ICから高速に乗り、2時間半ほどでJR水上駅に到着。ここでO石さんをピックアップし、温泉街外れのコンビニで買い物を済ませ、23:30に土合駅へ到着。(2張りのテントのみ)
早速、階段を登った所にテントを張り、駅構内で一杯やって、この日は就寝。
<土合駅>


14日 快晴。
朝は放射冷却で肌寒く、さっさと準備を整え、6時に土合駅を車で出発。
ロープウェイ駅近くの駐車場を探すも、時間が早くどこもまだ空いておらず、ロープウェイ乗り場の駐車場へ。
従業員は居ないものの、ゲートは開いていたので、ここに停める事にしました。(1日/500円)

6時半、準備を整え早速出発。
1時間ほど歩き、一ノ倉沢出合まで来ると、大迫力の光景に皆テンションUP
<一ノ倉沢へのアプローチ>

7時半、支度を整え一ノ倉沢のトレースに入る。
途中、右岸側の巻き道を間違えるなど、ハプニングで30分程のロスはあったものの、その後は順調に進み、ヒョングリの滝で懸垂(50m)、8時45分にテールリッジ到着。
<一ノ倉沢出合>
<ヒョングリの滝への懸垂>

ここで、クライミングシューズに履き替え、テールリッジに取り付く。
所々、フィックスロープがあり歩きやすいものの、最後が少し悪い。
<テールリッジ>

<最後の悪い所付近>

テールリッジを登りきると、中央稜の基部。ここから南稜テラスへトラバースするのだが、ここも数ヶ所いやらしい所と、上部からの落石を考慮しながら、慎重かつ速やかに進む。
<南稜テラスへのトラバース>

10時、南稜テラス到着。
ここで登攀の準備を整えていると、後続パーティー(4名)が追いつき、超軽装備&慣れたルートだという事で、順番を譲ることに・・・(この日、南稜は2パーティーのみ)

10時15分、U山・F見組が先行、その後O石・I間組が、それぞれツルベで登る。

1P目
 トポでは1P目はフェースを右上し、チムニーを登るところだが、ロープの流れが悪いとの事で、チムニーの直下で短くピッチを切る。
<1P目、U山・F見組>

2P目 チムニーは、出だしがいやらしいが、落ち着いて登れば問題なし。

3P目 スタンス、ホールドも豊富で、快適な25m程のフェース。
<3P目、F見さん>

4P目 草付きが50m程度。 

5P目 ハングを避け、左のリッジに出る25m程のフェース。
ここはトポではIII級とあるが、結構神経を使う登り。
<5P目、U山・F見組>

6P目 馬の背はロープの流れが悪く2ピッチに分けた。(上部・下部)
下部は6ルンゼ沿いになんなく階段状を登る所のはずが、ルート取りを間違え時間が掛かってしまった。(ただし支点は豊富にあり、何とか抜ける事が出来た。)
<6P目、F見さん>
<6P目ビレイ、I間>

7P目 馬の背・上部は右のカンテを登り、最終ピッチのフェースの下のテラスまで。

8P目 最終ピッチの核心、上部垂壁20m。
壁が立っていて、慎重に登るも最後の一手がどうしても出ず、A0で抜けました。
<最終ピッチ、I間>
<最終ピッチ、O石さん>

14時15分、終了。
終了点から少し上がった所でロープをたたみ、小休憩後、稜線へ抜けるため草付きの中のトレースを進む。
<トレースを忠実に進む>

途中5ルンゼの頭への脆い斜面と、ナイフリッジでロープを出し、慎重に抜けるも、かなりの冷や汗もの。
その頃には陽も陰ってきて、気温も徐々に下がってくる。
焦る気持ちを抑え、最後のヤブ漕ぎの急登を抜けると、ついに国境稜線へ。
<国境稜線へ>

17時 一ノ倉岳到着。
結局、ルートファインディングもしっかり出来、順調に来ることが出来ました。大満足の一日。
<一ノ倉岳頂上にて>

17時30分 茂倉岳非難小屋へは、ヘッデンのお世話になる事も無く、無事到着。
<夕陽の中を進む>

この非難小屋は、とても綺麗で快適でした。
(外トイレと、1分ほどの所に水場、非常用の銀マットやらシュラフ等もあり。)
またこの日は、自分達の他は1名のみで、広々と使え平日の山行で正解でした。

早速一杯やって、就寝。
<快適な非難小屋>


15日 6時起床、快晴。
放射冷却のせいで、朝トイレに行くと、外にあるドラム缶の中の水が凍っていました。
どうりで寒いはず。

7時半下山開始。
オキ(奥)の耳、トマ(手前)の耳付近は、登山客でごった返していました。
上越の山々の景色を楽しみながら西黒尾根を下降、13時に無事下山しました。
<快晴の国境稜線>



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数十年も前からいつかは登って見たいと思っていた地元の山に、今回やっと行く事が出来、大変満足な山行でした。
登攀はもちろん、それ以外での所でも、滑落や落石、ルートファインディング、ペース配分(体力)、軽量化・・・など、いつも以上に慎重に行動しなけば行けない場面が多く、大変充実した山行となりました。
紅葉は残念でしたが、上越の山々の独特な雰囲気にも魅了され、またぜひ沢やら登攀やら冬季山行やらと、訪れたいと思います。

 


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