今週の火曜日、3月12日に太鼓芸能集団『鼓童』のジュネーブ公演に行ってきた。
2月25日、相方の救急車即入院は、予定しながら中止となった『ロンドンへの旅』の代わり・・・というわけではないが、
その間の2週間は私自身も風邪に罹り、明らかに普段とは違う次元の、生活というより『もう一つの旅』といった、我々夫婦にとって感慨深いものがあり、
昨年暮れから予約していた『鼓童』の公演を実際に眼にする事で、ここ一連の出来事に何か落着するモノが私の中であった気がした。
『和太鼓が好き・・・』とだいぶ以前から相方が言っていたので、前売りチケットを手に入れ、楽しみにしていたが、
あいにくの腰痛で、相方は行くことが出来ず、花札仲間の友人(日本人)を誘って『鼓童』を聞きに行ってきた。
『鼓童』公演、私は初めて、友人は3回目だそうで、『佐渡を拠点とした太鼓芸能集団、伝統を重んじ厳しい修練をベースにしている…』といった
情報を何かで耳にした程度の前知識で私は鑑賞したが、果たして思っていた通りの素晴らしい公演であった。
ジュネーブの会場は満席で、日本人とおぼしきアジア人を散見したが、ほとんどがヨーロッパ人で一曲終わるごとに盛大な拍手と歓声が上がり
最後はスタンディングオベーションとなった。
日本で『修行』というものにたずさわった経験があり、ヨーロッパにいながら、『東洋自分なり研究所』を密かに立ち上げ『道』を日夜探究している
私にとって、『西洋人のスタンディングオベーション』を真摯に、かつ冷静に受け止めている様子の『鼓童』の人々に好感をもった。
長年の海外公演の経験から、外国人が日本人の何を賞賛しているか、彼等はよく理解し、媚びることなくただ『鼓道』を『童わらべ=無心』となって
自分たちを深める事で、世界中の人々に『人に道が在る』ことを、『鼓』道で示しているのだ。
『鼓童』の公演はいわゆる『静と動』、『清冽と凄烈』などの対比と調和を表し、そこには禅仏教のいう『不二』の思想が見事に表されているのだと思う。
今回の相方の入院にしても『東洋医学』が重視する『自然治癒力』の視点の欠如など見るにつけ、『不二の法門』の要を強く感じた2週間であった。
我が街、モルジュ湖畔にいつも一番最初に春を告げてくれる辛夷の花の樹の元にて、互いに撮った写真の合成で若干違和感、まぁだいたいこんなものでしょう。
(相方は、今年になって自己の体重超過に気づき、ダイエットを標榜していたが、想定外の入院で減量に成功、喜んでいる図?)
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