拈華微笑 ネンゲ・ミショウ

我が琴線に触れる 森羅万象を
写・文で日記す。

 必撮無眼流 ~ シンディ・シャーマンな街Vevey

2012年09月12日 | 一撮レポート
  寒い雨が降る中 行って来ました 2年毎に行なわれる「Imageの街Vevey展」街ごとが写真展示場になった超贅沢な写真展。

  今年は 駅前の州立銀行の建物全体を使って この写真:シンディ・シャーマンの自写像
      

  堂々たるものであるが、 一般市民が この写真をみて どんな事を感じるのだろうか??・・・非常に興味がある。

  ボクは時節柄 「アメリカの野望」・・・決して満足することのない眼差し・・・みたいなものを感じてしまった。
  しかも、スイスの(州立)銀行を覆うような どでかいアメリカ人女性の“肖像”・・・今現在スイスの銀行はアメリカから
  手ひどい攻撃を受けている真っ最中・・・悪い予兆のシンボルとならなければ いいが。

  旧デパートの廃屋を利用した5000m2の展示面積、地下を含めて5階の展示場は 廃屋独特の雰囲気があり
  お化け屋敷写真展的な 趣向が楽しめる。 ここでの展示は今年が最後になるそうだ。

      
         お化け屋敷にふさわしい ボロボロな 写真を貼り付けて立体化した車!

  地下へ行くと 薄暗い部屋の片隅に 2畳ほどの四角い小屋があった。 中には何故かシングルベッドがあり
  その横にコンピュータが 備え付けられていた、このPCで 何か見られるのだろうか?と思い いじっていると
  背後から若い美女が声をかけて、「宜しかったら 写真をお撮りしますので このベッドに横たわって下さい・・・」と
  意味有りげな微笑みを投げかけてきた。一瞬なんのことか サッパリわからずにポカーンとしていたせいか
  英語は分かりますか?と 言ってきたので「Yes!」と一言。 
  云われるままベッドに横たわると フラッシュが閃いた・・・ような?! 

  「貴方の写真が 今、3階の 穴から降って降りてきますから こちらにどうぞ!」と小屋を出て 上を見上げると
   吹き抜けになった3階の天井(というか床に)細長く穴が空いていた。  そして・・・・!

     

     そして・・・このように なる。
     

     お嬢さんと ツーショットと相成る。
     

  そして 街のアチコチに Liu Bolin(中国人) の 「街なかのカメレオン」の題名の 大写真が 張り付いていた。
     
    
    彼の写真は 凄いの 一言。  日本人では 西野ショウヘイさんの「ジオラマ」が展示されていた。

  ボクの総評としては “写真の力が 弱くなっている” 感じがした。 図らずも今年の5月 ベルリンへ行った時に見た写真展
  日本の写真家1945-64 で見た土門拳、林タダヒロ、長野重一、木村伊兵衛、奈良原一高、濱谷浩、田沼武能、等の写真の方が
  何倍も良かったと思う。

  個人的好みもあるのだろうが、現代の作ったような作品からは やはり写真独特の深みが出てこない気がする。
  現代は「肖像権」の問題もあって 思うように人を撮れないのが 原因であろうが なんとかならんだろうか。 
  


  


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