拈華微笑 ネンゲ・ミショウ

我が琴線に触れる 森羅万象を
写・文で日記す。

 パリのカツ丼

2023年01月07日 | 娑婆惰罵駄(シャバ・ダバダ)

  我が家の旅行担当大臣は相方で、いつも突然決まることと、だいたいいつも同じ所への旅行が多いが

  今回もパリへ2泊3日の小旅行となった。パリへは前回2018年だったのでちょうどコロナ禍を挟んで4年ぶりであった。

  フランス新幹線TGVでスイスから3時間弱で、『エッ…もう着いたの?!』という感覚で到着駅リヨンのそばのホテルに11時頃ついた。

 

  相方は旧友との再会という主目的が2日目にあり、

  私は今回はルーブル美術館に一日入り浸りの覚悟でいたが、いざ入場切符を予約しようとサイトを見ると混雑を避けるための

  入場時間の制限があって、ルーブルはあきらめ、一日中仏像を見ることにしてギメ美術館を予約した。

 

  第一日目の昼食・・・これは、我々夫婦間暗黙の了承で日替わり弁当定食が抜群のオペラ座に近い?『十時屋』を脇目もふらず

  目指したが、なんと!8日まで休日であった。相方のこの大失態を罵ったが背に腹は代えられず・・・即、第2候補の『ひぐま食堂』へ。

        

  『何事の おわしますかは 知らねども かたじけなさに 涙こぼるる(西行)』の詩が、このカツ丼を味わう私を襲ってきました…の図

 

  日本人の…というか、少なくとも私に、郷里・日本を思わせてくれるこの微妙な『味付け』を、遠来のここパリでよくぞ味わせてくれた!

  嗚呼〜、、、これだけでもパリまで来た甲斐があった〜と思えるほど、幸せでした。(普段何食っているのか?と思われるでしょうが…)

  (私の地元ローザンヌにHokaido・・・という日本食まがいの食堂にカツ丼ならぬトリ丼はありますが・・・これはこれで結構うまいが)

 

  それと、毎回パリに来るとおもうのですが、人情が濃いんですね、パリという街は・・・。

  逆に言うと、スイスが『人情に少し薄味』なのかもしれません。資源の乏しい小さい国を精一杯守って来るうちに

  『人情』という『ちょっといい加減』でいられる寛容性にかけるところがあるのかなぁ〜とは思います。

  特にスイスフランス語圏のプロテスタント系地域ではいまだに『カルバンの家』というほど不寛容性があるかもしれません。

 

  パリでは地区によるのでしょうが、貧しい人たちが肩を寄せ合い、助け合って生きている感は確かにある。

  相方ニコルのように誰彼となく声をかけ、会話を引き出すことに人生の最大の楽しみを見出す『喫茶去タイプ』の人間にとって

  ある意味パリは最高の『カフェの街』かもしれません。今回も私達が袖触れ合った人たちは皆親切でした。

  

  私の場合、パリに来るとどういうわけか女性観が甘くなる傾向があり、これは日本に居た時に受けた『ノンノン・アンアン』影響下の

  心理なのでしょうか? 女性が活き活きして観える? 或いは観ようとしている自分があるのかもしれません・・・(撮人家として)

 

  2日目の朝だったか、相方と散歩している時、道を尋ねるために二人連れと思えた若い女性に声をかけると、じつは二人連れではなく

  それでも二人共止まってくれて、二人共話を聞いてくれた上で、一人は『北』を指差すと、もう一人の女性は『南』だと思うと、携帯を

  出して調べてくれた。それが二人共22〜24歳ぐらいのピチピチの美人女性で、ファッションスタイルは対照的であるのに、

  出勤中で急いでいるであろうに…親切にしてくれたことが印象に残った。(昔の私であれば即、撮人していたであろう…)

  そういえばメトロでも、若い女性が老人に席を譲っている風景を2度ほど見た・・・。

 

 

  腹が満足したら、次は『ジュンク堂書店』へ行くわけであるが、今回ほど、『本は本屋で!』・・・という事を感じたことはなかった。

  スイスにいると、日本語の本屋さんは無いので、私はもっぱら電子書籍を利用して、まぁそんなものであろう…と思っていた。

  しかし、今回『書店』がいかに『パワースポット』であるかを実感した。

  ただ、値段が40〜50%増しになっているので私はこれまで敬遠していたが、いい本に出逢えばそんなことも言ってられない。

  書店で並んでいる本を観ることで得られる情報の質と量が抜群であることを実感させられた。

  で、買った本は2冊で一つは坂本龍一の『音楽は自由にする』という自伝。もう一つは『沈黙の作法』山折哲雄x柳美里。

  どちらも私をインスパイアしてくれること間違いなさそう・・・。

  

  



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