寒い一日になりました。本日1月9日は毎年地元、下小野原の行事「堂の講」(ドノコ)があります。
新年を迎え、一年間の豊作、無病息災、家内安全等祈願する法要が寺院で行われるのを修正会(しゅしょうえ)といいますが、「オトウ」ともよばれる「堂の講」もその一種です。主として神社、寺、地域で祀られているお堂等で行われています。下小野原は毎年公民館でこの行事を行っています。他地域でも類似した行事があるそうです。
ヌルデ(うるし科)の木で作った「ゴズエ」は祈願のための聖樹で豊熟を祈念するための神のよりしろ(神霊が招きよせられて乗り移るもの)といわれています。ヌルデの木とシキミは稲や果樹木等を表わし、シキミの枝に結ばれたおみくじの様な紙を参詣者が思い思いにつけるのですがこれは稲穂や果実、財物が鈴なりになる様子、三つ割りの部分に挟んである半紙は「牛玉宝印」(ゴズホウイン)といって、神仏(牛王天王?)から授けられる各種の財物を潤す功徳があるというお札の一種と考えらます。
法要の途中、住職が大きな声で「南無最上佛面除災與楽」と叫びながら錫杖(しゃくじょう/上端の円環に数個の小環をつけ動くと音の出る杖で、道で毒蛇・害虫を追い、乞食(こつじき)に音を出して遊行を知らせるためのもので大乗僧の十八の一。)を振ると参詣者一同が「ゴズエ」と細い棒を双方の手で卓を強く叩くのでけたたましい音が室内に響きわたります。とてもユーモラスな感じです。卓を強く叩くのは祈願の強さ、「牛玉宝印」を授けててもらえる喜びや早く授け下さい、といった催促を表している様です。
読経の後で硯の墨をつけた棒で顔に三回ずつ墨をつけるしぐさを行いますがこれは「インノコ」(印の功、印の幸)といって一人一人に功徳が及ばされ無病息災・健康増進等を祈る為に行わます。
「ゴズエ」は持ち帰り苗代の水口に立てる慣わしがありましたが、現在は各家の垣内(かいち)の一定の場所に立てられます。
※「牛玉宝印」(ゴズホウイン)
守り札の一種で、起請文(誓紙、誓詞=誓いや約束事を書き、もし内容にたがう時は神仏の罰をこうむる旨を記して印を押す)の料紙、民族慣行(オトウ等)に授けられるもの。
因みに和田寺の「牛玉宝印」の版木は西暦1426年(応永33年室町 足利義政の頃)の銘あり。県下で最古、全国で4、5番目に古いもので篠山市文化財に指定されています。
この辺りでは珍しい行事ということで一昨年にサンテレビの取材がありました。興味のある方は毎年、1月9日、1時より下小野原の公民館で実施しておりますので百聞は一見に如かずです。一度お参りされては如何でしょうか。
合掌
新年を迎え、一年間の豊作、無病息災、家内安全等祈願する法要が寺院で行われるのを修正会(しゅしょうえ)といいますが、「オトウ」ともよばれる「堂の講」もその一種です。主として神社、寺、地域で祀られているお堂等で行われています。下小野原は毎年公民館でこの行事を行っています。他地域でも類似した行事があるそうです。
ヌルデ(うるし科)の木で作った「ゴズエ」は祈願のための聖樹で豊熟を祈念するための神のよりしろ(神霊が招きよせられて乗り移るもの)といわれています。ヌルデの木とシキミは稲や果樹木等を表わし、シキミの枝に結ばれたおみくじの様な紙を参詣者が思い思いにつけるのですがこれは稲穂や果実、財物が鈴なりになる様子、三つ割りの部分に挟んである半紙は「牛玉宝印」(ゴズホウイン)といって、神仏(牛王天王?)から授けられる各種の財物を潤す功徳があるというお札の一種と考えらます。
法要の途中、住職が大きな声で「南無最上佛面除災與楽」と叫びながら錫杖(しゃくじょう/上端の円環に数個の小環をつけ動くと音の出る杖で、道で毒蛇・害虫を追い、乞食(こつじき)に音を出して遊行を知らせるためのもので大乗僧の十八の一。)を振ると参詣者一同が「ゴズエ」と細い棒を双方の手で卓を強く叩くのでけたたましい音が室内に響きわたります。とてもユーモラスな感じです。卓を強く叩くのは祈願の強さ、「牛玉宝印」を授けててもらえる喜びや早く授け下さい、といった催促を表している様です。
読経の後で硯の墨をつけた棒で顔に三回ずつ墨をつけるしぐさを行いますがこれは「インノコ」(印の功、印の幸)といって一人一人に功徳が及ばされ無病息災・健康増進等を祈る為に行わます。
「ゴズエ」は持ち帰り苗代の水口に立てる慣わしがありましたが、現在は各家の垣内(かいち)の一定の場所に立てられます。
※「牛玉宝印」(ゴズホウイン)
守り札の一種で、起請文(誓紙、誓詞=誓いや約束事を書き、もし内容にたがう時は神仏の罰をこうむる旨を記して印を押す)の料紙、民族慣行(オトウ等)に授けられるもの。
因みに和田寺の「牛玉宝印」の版木は西暦1426年(応永33年室町 足利義政の頃)の銘あり。県下で最古、全国で4、5番目に古いもので篠山市文化財に指定されています。
この辺りでは珍しい行事ということで一昨年にサンテレビの取材がありました。興味のある方は毎年、1月9日、1時より下小野原の公民館で実施しておりますので百聞は一見に如かずです。一度お参りされては如何でしょうか。
合掌