福富ストラット

「記者ときどき農夫」。広島の山里で子ども向け体験農園づくりにいそしむ、アラフォー新聞記者のブログ。

バンドやろうぜ

2020-02-11 21:56:29 | 日記
 1年に1度、仲間うちの音楽ライブに出ている。アラフォー隊員が記者職を休眠中の新聞社が催す「バンド部ライブ」。出演するのは社内の先輩後輩だけでなく、その友達、その同級生、きょうだい、そのまた知り合い…などなど、ごった煮だ。
 30年ほど続いているという、その恒例ライブが先日、広島市内のライブハウスであった。休眠中の隊員は、ことしは見送るつもりでいた。ろくに練習できないし、なにせ、会社に顔を見せない休眠中の身だ。「職場に来んのに、ライブにゃ来とるんか。そのへん、どーなんですかっ」と謝罪会見並みにツッコまれること必定だし。

 しかし、年が明けてしばらくして、ギタリストの後輩が「出ませんか」と誘ってくれた。仲間はありがたい。あっさりとOKした。なんだ、オレ、やりたいんじゃん。
 バンドはここ数年共演している年齢の近い4人で組み、隊員はドラム。かなりの突貫工事で、言われるがままに王道ロック5曲を仕上げ、本番に臨んだ。演奏の出来はさておき、楽しいステージだった。小学3年の天才ドラマー(!?)の初出演もあり、盛り上がった。
 「今日集まっているこどもたちっ。音楽はいいもんだぞ。音楽は楽しいぞ!」。思わず、元カープの野村謙二郎の引退スピーチをパクってしまう。

 今は亡きオヤジのおんぼろアコギをいじっていた根暗な中学時代、同じサッカー部の友人に「ドラムやってくれん?」と唐突に誘われてバンドを始めた。高校の文化祭で5人で粋がって爆音をならし、自己満足してた。当時は「バンドやろうぜ!」なんて雑誌もあるほど、バンドブームだったなぁ。地元を離れての大学生活でも、新しい仲間たちとゆるやかに音楽を続けた。
 どのバンドでも共通するのはズバリ、うまくないとこ。でも、臨む姿勢だけはちゃんとしてるとこ。そして、「オレたち、悪くないじゃん」と自己肯定感だけは人一倍であるとこだ。アラフォー隊員としてここ福富町に来てからも、音楽で何人かの人とつながれた。

 話変わって、一年中半袖暮らしのわが小学生の長男は、友達をつくるのが得意でない。まぁ、オトコなんて、できそこない生物だから別にそれでいいじゃんと思うし、本人も気にしていないのだが、学校行事などで息子が友達の輪の外でポツンとしているのを見ると、「おいおい、ちぃとはがんばれや」と思ってしまう。
 ところが最近、息子が「仲間」と過ごせる世界を持ちつつあるようなのだ。それは将棋の場。3年ほど前に遊びで将棋を覚えて以来、息子はぐんぐんと将棋にハマった。学外の将棋サークルや各地の大会に足しげく通うようになり、こじんまりとした大会では優勝までしだした。息子は勝っても負けても、ニコニコぴょんぴょんと跳ねるように帰ってくる(実際、落ち着きがないのでよく跳ねる)。戦績はさておき、学校も年齢も違う子たちとニコニコと盤を挟み、休み時間には生意気に連れだって「はなまるうどん」なんぞへ繰り出す様子を目の当たりにして、なんだかぐっときた。
 なんでもいい。勉強抜き、仕事抜き、損得抜きで夢中になれるものに出合ってくれたらいい。息子にとってはいま、将棋がそれのようだ。


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