著者の泉忠司さんから本書出版のお話をいただいたのが9月下旬。
「12月1日にパーティをやる予定だけど、それまでに出来ますか?」という。
「原稿さえ上がっていれば、超特急で出来ないことはないでしょう」
「いつまでに原稿を渡せばいいですか?」と泉さん。
「そうですね、原稿の完成度にもよりますが、2週間以内に原稿をいただければ……もう書きためたものがあるんですか?」
「いや、これからです」
私はそれからしばらくこのことを忘れていた。第一、企画内容も聞いていないし、これから執筆して、まさか2週間ぐらいで原稿を書き上げてくるとは思ってもいなかった。 10月中旬、泉さんから原稿が届いた。
「本当に書き上げたんだ! 」 驚きと戸惑い。ちゃんと書けていたら、12月1日のパーティに間に合わせなくてはならない。まずは急いで送られてきた原稿を読んだ。
第一感は、その完成度にまず驚いた。以前聞いていた仮タイトルが『バカとブスこそ金稼げ! 』だったので、そのタイトルからはどんな内容なのかはわからなかったが、読んでみて、構成・内容・表現ともしっかりしている。編集する必要もないぐらいに完成度が高かった。
長年出版の編集をしているが、こういう原稿にはめったにお目にかかれない。ふつうは、構成を組み替えたり、内容の重複を削除するとか、希薄な部分を補うとか、あるいは表現を変えたりするとか、著者と相談しながらいろいろ編集上の加工をするのだが、それがほとんど必要ない。したがって、編集作業そのものはスムーズに進んだ。
問題はタイトルである。差別用語ではないが、「バカ」と「ブス」は強烈な言葉だ。これをタイトルにしてもいいのかなあ……社内、友人、知人、出版界の先輩などにも相談した。反応はいずれも「ノー」である。泉さんが言う。
「たぶん、書店員や書店を訪れる見込み客には反発されるでしょうね。特に本当のバカとブスには猛反発されるでしょうね。しかし、反発もあるけれど、熱烈支持者も出てくるんです。そういう方々に読んで納得していただければいいんです。バカ・ブス・金、これで行きましょう! 」
私は泉さんの一言に納得した。 内容は抜群だ。ベストセラーになったロバート・キヨサキ『金持ち父さん 貧乏父さん』(筑摩書房)を凌ぐだろう。本書には「金のこと」「仕事のこと」「人生のこと」について本質的なことがしっかり書かれている。これから起業しようとする人にとってはバイブルともいえる内容である。この本を読んでいるかどうかで、あなたの人生は大きく変わるだろう。「バカ」になりたくなければ、「ブス」のままでいたくなければ、本書を読んでほしい。
(マネジメント社編集主幹 安田喜根)