何年か前の夏と記憶している。
何のついでか忘れたが、徳島方面に行った帰り
ふと、県内のとてつもなく巨大なクスノキを見ようという事になった。
徳島県三好郡東みよし町加茂にある「加茂の大クス」である。
ただの大クスではない。
単独樹としては全国で8本しかない、
国の特別天然記念物の1本である。
クスノキの国の特別天然記念物は、鹿児島県「蒲生の大クス」と、
ここ「加茂の大クス」の2本しかない。
日本国内 数あるクスノキの中の横綱と言ってよいだろう。
そんな別格的クスノキは、徳島ののどかな田園風景の中にあって、
遠目にはまるで一つの鎮守の森のように、番長には思われた。
「さてはこの森の1本が、加茂の大クスだな?」(^_-)-☆
そう思って不思議でないだろう。
ところが、いよいよ全体像がわかる距離になって、
自分がとんでもない勘違いをしている事に気が付く。
鎮守の森かと思いきや、さにあらず。・・・・・・
これすべて1本のクスノキの成せる業であったのである。
樹齢1000年、樹高 26m 幹の周囲 16.72m
東西南北の枝張りは 50m四方もあり、日本一。
確かにすごい枝張りである。
しかし、なーんか
(;一_一)
そうだ!これだ!
このー木何の木♪
気になる木ー♪思わず口ずさむ
番長。
ハワイオアフ島モアナルア・ガーデンパークにある「モンキーポッド」
の樹形が幻影として脳裏にかぶる番長。
別名「日立の樹」として知っている人も多いと思う。
こちらは樹齢 130年 樹高 25m 幹の周囲 7m
枝張りは 40m四方あり、加茂の大クスの ジュニア版と言える。
やや脱線してしまったが、目の前の「加茂の大クス」
国の特別天然記念物 にしては、特に神格化された雰囲気はない。
仰々しい柵に囲まれているわけでもない。
近づきがたい雰囲気でも、もちろんない。
オリンピックプールの50mコースがすっぽり収まるほどの
ものすごい広大な枝張りを誇る、世紀の巨木なのに、
観光地化された様子もない。
もとは若宮神社という社域だったとの事だが、
今となってはその面影は全くない。
むしろ、近所の子供たちの遊び場 お年寄りの憩いの場
といった庶民的イメージが強い。
かくれんぼをする子供達の嬌声がこだまし、そばの田んぼでは稲が
すくすく育つ。
そしてそれらを、やさしく見守る大クス。
いつまでも変わらずにいてほしい。
そう願う番長であった。