私は、老人を対象にした学習講座グループに入っていますが、このたび広島大学名誉教授で地質学(化石等が専門)の沖村雄二先生にお話しをしていただきました。
(沖村先生が、講義の準備 標本の陳列)
(講義開始)
この日の主題は2つありました。
第一 東広島の地質については明治期に窯業原料の粘土を調べて湖成説が唱えられたが、現在では湖成説は否定され、科学的には河川成説になっていること。
東広島の大地は中国山地の分峰の山地で、高いところに流紋岩質溶結凝灰岩があるが、それ以外は後に貫入してきた花崗岩でできている。硬い岩盤が広がっており地震には強い。
断層があり30m位いの高さに隆起した場所がある。断層と言っても長い年月をかけてゆっくり動いた断層なので岩石の破断はなく、地震を起こす「活断層」ではない。
断層により隆起したことで、河川の争奪(流れる方向が変わる)が起きた。
高屋地区では東側に細粒花崗岩の山地が風化に強くて聳えていたために黒瀬川(南)に流れていたものが、隆起で南への流れを阻み、細粒花崗岩の山地を破って滝を作って沼田川(北東)に流下するように変わった。
西条地区の黒瀬川は、竹原に下っていたものが、隆起により東への流れを阻み、灰ヶ峰・野呂山方面の流紋岩山地を破って滝を作って呉に流れ落ちるよう変わった。
第二は、豊栄町安宿の四方山さん収集などの水晶等の東広島市の岩石について。
でした。
東広島市の地質は、花崗岩と山の流紋岩しかない、面白味のない地質と言われているが、日本式双晶の水晶など珍しい鉱物も出ています。
私は、細粒花崗岩は無色鉱物の集合体かと思っていましたが、高屋地方東部の細粒花崗岩は閃緑岩か花崗閃緑岩のような岩石でした。ウーン、このような岩石は広島空港の地盤にも沢山あるので、空港付近があまり風化侵食されなで周囲よりも高い山として残っているのも、このような風化に強い、花崗岩といっても細粒花崗岩又は閃緑岩に近い岩石部分だからでしょうかね。
河川争奪の原因となった断層、その断層の方向がわかる花崗岩は、毛並みのような方向に撫でてみると滑らかな触り心地ですが、反対=逆方向に撫でるとザラザラした引っかかりの手触りです。これにより断層の方向がわかります。面白い。
特異な植物が自生する「ため池」周辺の地質を調べたいのですが、その場所の石をどこかに持ち込んで調べて貰うことは可能ですか?
蛇紋岩かどうか調べて貰いたいのですが。