結晶質石灰岩鉱山と帝釈峡を訪ねる地質観察バスツアー 仙石庭園園長で地質学者の沖村先生から、結晶質石灰岩鉱山と帝釈峡を訪ねる地質観察バスツアーへのお誘いをいただきました。
グループ名は、「地球学講座」という仰々しい名前で、総勢19名 広島駅北口から出発しました。
帝釈峡は帝釈石灰岩(石炭紀~二畳紀)の台地を刻んで流れる帝釈川の峡谷。サンゴ礁を伴うホットスポット玄武岩質海洋島が付加してできたもので、石灰岩の下には基底となる玄武岩や玄武岩質凝灰岩が伴われています。
現在見られる帝釈峡の地形の形成は、サンゴ礁を伴う海洋島が日本島弧に付加したずっと後の新第三期鮮新世末期(約300万年前)からはじまり、この頃から侵食平坦面となった後に隆起して500~600mの帝釈台地になったとされる。 石灰岩に特有の侵食地形やその他鍾乳洞などが見られます。
今日の訪問先のメインの目的地の日東粉化工業(株)夏森鉱山(広島県庄原市東城町帝釈末渡695-2)でした。 産総研の日本シームレス地質図で調べたら、中期~後期ペルム紀(3.3億年~2.6億年前)に付加した石灰岩層(別の資料によると「永明寺層」という150m位の厚さの地層)の西の端に位置していて、夏森鉱山は後期白亜紀(1~0.65億年前)にマグマが地下の深いところで冷えて固まった花崗岩質の深成岩(新規領家)と石灰岩地質が接しているギリギリの場所にあることがわかりました。
私がひそかに期待したのは、鉱山域の北西箇所の石灰岩と花崗岩との接点の付近を探せば、スカルンのケイ灰石、灰バンザクロ石、灰鉄ザクロ石、灰鉄輝石、透輝石、ベスブ石等が見つかるかもしれないとの期待が湧きます。また、真っ白な石灰岩の中でも、花崗岩の熱源との距離によって、再結晶したタンカル粒子の大小を比較して見るのも面白い。良い標本があればいただいて帰ろう … と期待が高まりました。
現地に着いたら、鉱山の所長さんのみならず、会社の会長さんも我々を出迎えてくださり、大変丁重な対応をいていただき、ビックリです。
鉱山は、「全域が花崗岩の熱源に近い、スカルンは何故かない。資源は豊富な埋蔵量で、150m以上の厚さがありそう」などのお話しをうかがいました。
大変ご親切な応対で、希望する鉱石を削岩機で砕いていただき、花崗岩の貫入箇所付近に小さいけどスカルンが見つかり、灰鉄ザクロ石もあって、感激しました。
花崗岩の貫入場所付近の鉱石を、削岩機で割っていただいたら、何と スカルンがありました。
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