アブラハムはノアの息子セムの子孫。
ユダヤ教、キリスト教徒にとっては信仰の父と呼ばれる。
地上の全ての民族はアブラハムによって祝福される、とヤハウェから約束されている。
アブラハムは旧約聖書における超重要人物といえる。
アブラハムと妻サラは、甥のロトと別れ、カナンの地へと向かう。
(ロトはソドムへと向かった)
カナンにたどり着き、ヤハウェから「子供を授かるであろう」とお告げをもらう。
二人は、高齢なのにそんなわけないだろと内心思っていた。
実際10年たっても生まれない。
奥さんのサラは「私のせいちゃうかな、なんとかせなあかんなぁ」と思い悩む。
そこでサラは、エジプトから連れてきた奴隷の1人、「ハガル」という女性と夫をくっつけてあげて子供を産ませようとした。
めでたくハガルはアブラハムの子供を身ごもる。
男の生殖力はたくましいですな…
しかし、アブラハムの子ができたハガルは強気になる。
「あんたはアブラハムはんの子供みごもれてないやんけ~」とサラにマウントをとりはじめる。
サラはアブラハムに相談する。
「ハガルはあなたの奴隷だからサラのすきにしていいよ」とアブラハムは言う。
アブラハムがそういうので、サラはハガルをいじめはじめる。
どっちもどっち?
ハガルは嫌になって家を飛び出し荒野をさまよう。
意気消沈していると、ハガルのもとに天使がやってきて声をかける。
「ちゃんと生意気なこと言わんと、従順にサラに仕えたらええんやで。
そしたら、おなかにおる子も無事に生まれてくるからね
生まれてくる子にはイシュマエルと名付けなさいよ
その子は兄弟と争う存在になるで~」
生まれる前からそんな気の重くなるようなこと言わんといてと思いますが、ハガルは天使の言われたとおり、サラに仕えた。
予言通り、アブラハムが86歳のときに子供が生まれ、イシュマエルと名付けた。
イシュマエルは、「主は聞き入れられた」という意味。
ハガルは、自分の複雑な悩みを神様が聞き入れてくれたことに気づく。
思いあがっていた自分、感謝の足りなかった自分にも気づいた。
ハガルは、より一層サラに従順に仕えることを決意するのであった。
一方、アブラハムは赤ちゃんが生まれて大喜び。
アブラハムが99歳の時にヤハウェが現れる。
「アブラムはアブラハムへ、サライはサラへ改名しなさい
来年、二人のあいだに子供が生まれる」
アブラハムは心の中で笑う。
「いやいや、今笑ったな?
ほんなら、子供の名前は「彼は笑う」っていう意味でイサクと名付けなさい」
ちなみに、この改名には「ハーラフ」という言葉の「ha」の音が組み込まれている。
ハーラフとは「進み続ける」と言う意味。
アブラ(ha)ムとサラ(ha)という感じ。
神と共に進み続ける、という意味が名前に加わった。
こうして、アブラハム100歳、サラ90歳にしてイサクを出産する。
このときイシュマエルは13歳。
イサクの出産を機に、サラとハガルの戦いが再燃してしまう。
アブラハムの部下たちも、イシュマエル派とイサク派に分裂してしまう。
イシュマエルもイサクをいじめる。
いじめられるイサクを見るサラは耐えられない。
ハガルとイシュマエルを追い出したい。
しかし、アブラハムからしてみれば、イシュマエルもイサクも自分の子供、追い出したくない。
アブラハムが悩んでいると、ヤハウェが来て言った。
「サラのいう通りにハガルとイシュマエルを追い出したとしても、イシュマエルを大いなる国民の父にすることを約束する」
ハガルとイシュマエルは、パンと革袋を持たされて追い出された。
ベエルシェバという荒野の中で、飲み水が尽き、ついにイシュマエルは倒れる。
「私は息子が死ぬのを見たくない!」
ヤハウェが現れ、「あっちに井戸あるで~」と教えてあげる。
ベエルシェバには7つの井戸という意味がある。
イシュマエルは助かり、弓の達人として成長していく。
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