たけのこ新聞の事件簿

離婚をきっかけに、今まで心に溜めていたことを書いています。離婚、エコ、世間の常識(のようなもの)についての疑問などなど。

行くぞウィーン ひとり旅 10リンク⑤

2023年05月05日 | 旅行

地下鉄に乗っていざ、アパートメントへ。目指す駅も住所もばっちり。グーグルマップで周囲の様子も建物の外観も確認した。たとえスマホが使えなくたって、へっちゃら。昨日みたいに、迷って泣きそうになることはないはず。

 

駅に着いてみると、さて、方角が分からない。予想通りスマホも使えない。地図をひっくり返しながら歩き回る。あっちに向け、こっちに向け、現在地と目指す方角を合わせようとするのだが…あれ?目指す建物は駅の真ん前のはずなのに、やっぱり迷った。事前に調べたのとよく似た建物はあるのに…というか、似たような建物だらけ。建物の見当をつけて向かってみるが、入り口が分からずウロウロする。暗くなってくるし、人通りもなく、不安しかない。昨日の夕方が思い出される。

入り口ゲートは見付けるが、住所は全く違うものだった。建物をぐるり一周めぐると、同じ建物の反対側にもゲートがあった。多分ここ?もう一時間以上も歩いたか。初めての通行人(!)のおばさまをつかまえて聞いてみる。ここで合ってた!

でもゲートにはアパート名の表札がない(昨日の経験から、アパートメントの看板はないよなあと思ったけれど、まさか表札すらないとは思わなかった)。ドアにも鍵がかかっている。ドアの前で困っていると、さっきのおばさまがやって来てくれる。

「どうしたの?」

「どうやって入るのか分からない。スマホもつながらないから電話できない」

親切にも電話をかけてくれるが、つながらない。

「この番号、違ってない?」

ガーン。打ちのめされていると、ゲート内側から人が出てくる。早速おばさまが尋ねてくれる。ここから先はドイツ語なのでよく分からなかったが、その様子からこんなやり取りだったに違いない。

「ここにアパートメントはある?」

「ああ、あるよ」

「この人がそこに行こうとしているらしいんだけどね、入れなくて困っているのよ」

「よし、案内してやろう」…とかなんとか。

内側から出てきたおじさまが、ジェスチャーで付いて来いと言っている。おばさまにお礼を言って、中に入る。ロの字型の建物の真ん中の、公園のようなスペースに何人もがおしゃべりしている。その中の一人が、アパートのオーナー(おじさま)だったみたい。今度はオーナーに、建物の中へ案内される。建物内では、オーナーのおばさまに導かれてようやく部屋にたどり着く。

昨日同様、建物のごく一部の部屋だけがアパートメントで、他のほとんどは普通の賃貸住宅らしい。

 

私はまるでリレーのバトンのように、いろんな人に助けられながら宿までたどり着いた。昨日同様、部屋と布団に感謝する。そして、何人もの人たちに助けられてここまでこれたこと、ありがたいし、嬉しい気持ちでいっぱい。